スマホ最高峰チップ「Snapdragon 8」新型では“さらなる高熱”の可能性 正式発表を前に冷却性能の懸念高まる
まもなく発表が見込まれる、クアルコム社のスマートフォン向け高性能プロセッサ「Snapdragon 8 Elite(仮称)」をめぐり、さらなる性能向上の期待とともに、発言に対する懸念が浮上している。
現在、スマートフォンで最高性能を有するモデルにはクアルコム社製「Snapdragon 8」と、MediaTek社製「Dimensity 9000」の2シリーズのチップセットが採用されており、毎年両シリーズの最新版が秋季に発表されている。
性能向上に伴う代償への懸念
今年も例外ではなく、MediaTek社は先日最新版となる「Dimensity 9400」を発表。前モデル比での性能向上に加えて、消費電力に関するアップデートも行ったといい、年末にかけて各社メーカーが発売する新型スマートフォンに搭載される見通しだ。
そして、Dimensity 9400の発表を受け、業界の間では「Snapdragon 8」シリーズに注目が集まっている。ほぼ確定的な情報によれば、本年から同シリーズの命名規則に変更が加えられるといい、これまでの「Gen」表記から「Elite」になるという。
そして性能面では、クロック周波数が4GHzを超える高電力コアを搭載する見込み。現行の「Gen 3」比でより高性能を実現することに期待が寄せられている一方で、発熱と電力消費という側面で大きな代償がのしかかる懸念が高まっている。
近日に中国のソーシャルメディアで共有され、海外で多く拡散されている情報によると、この8 Eliteは通常使用時に最大20ワットを超える電力を消費する可能性があることや、温度が98.5度に達したと主張するスクリーンショットが出回っている。(Source)
投稿によると、この情報は3か月前のものであるとして、その後の製品改良で改善する可能性があるとされているが、サーマルスロットリングにより本来の十分な性能を発揮できないことへの不安が寄せられている。
現にSnapdragom 8シリーズでは、性能向上と同時に排熱対策が重要な課題になっており、スマートフォン本体の冷却機構の規模や仕様によって、同じチップでも性能に大きな差が生じめいる。なかには物理ファンまで搭載するメーカーまで現れており、次期プロセッサではそうした発熱と電力効率の問題が悪化する懸念が高まっている。