サムスンが“画面を巻けるスマホ”を商用化する可能性 ファーウェイの“三つ折り”凌ぐ予想も…進む技術応用の取り組み


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韓国の電子機器大手・サムスンが、巻き取れる新しいコンセプトのスマートフォン機器を2025年内に展開する計画があると報じられた。韓国の現地メディアの報道によれば、デバイスは展開時に「12.4インチの画面を持つ可能性がある」と示唆している。

巻き取れる(ローラブル)スマホとはその名の通り、ディスプレイを巻き物のように収納できる機器を指す。現行の折りたたみスマホの折り曲げ技術にも用いられる有機ELのフレキシブルディスプレイを活用することで、コンパクトさと大画面を両立したスマートフォンを実現する。

ローラブルスマホはこれまで中国OPPOや、新興国ブランドのTECNOといった複数のメーカーがコンセプトモデル(試作機)を見本市などで披露してきたが、実際に製品化に至った事例はなく、サムスンが発売すれば世界初の商用化になる可能性が大いになりうる。

近年のスマートフォン業界はディスプレイ分野での新技術の開発、応用が活発に行われており、直近では「折りたたみスマホ」という新たな領域に中国系を中心とした多数のメーカーが参入。そして、直近9月10日には中国の通信機器大手・ファーウェイが世界初となる三つ折りスマートフォンである「Mate XT」の商用化を発表。

40万円超えの超高額ながらも予約時点ですでに多数の買付が見込まれるほか、香港などの二次市場では50万、100万を超える可能性もあるなど、盛り上がりを見せている。そうした中で、Galaxy Z Foldを展開するサムスンはやや直近のイノベーションに後れをとる印象もあるが、ローラブルスマホが展開すれば「Mate XT」の10.2インチを大きく上回る大画面を実現する。

なお、サムスンは2023年に自社のディスプレイ子会社Samsung Displayを通じて「Rollable Flex」と呼ばれる巻き取り式ディスプレイ技術を発表している。プロトタイプではあるが、拡張時は5倍以上に通常時からの伸縮を実現しており、見本市で公開されたデモ機はO字型の回転軸を用いた49mmから254.4mmに拡張する様子をデモしていた。

一方で、近年のサムスンの事業概況や報道を鑑みると、同社のモバイル部門はコスト削減を目標にしていることも予想されており、実際に商用化されるのか、それとも消極的になるのかについては引き続き注視しておきたいところだ。
source: therec.kr

著者 編集部 IT/デジタル担当
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