ファーウェイ、Androidから完全脱却した新OSがリリース間近か パフォーマンス向上などアピール
中国の通信機器大手ファーウェイが、自社デバイスに搭載する「HarmonyOS」の新バージョン「HarmonyOS NEXT」をまもなく一般リリースされるといい、社内報道などによれば今月リリースとの見方がなされている。この「NEXT」バージョンは、Androidの基盤ライブラリを完全に排除した純粋な自社開発OSとなる。
HarmonyOS NEXTとは、ファーウェイが主導して開発するオペレーティングシステム「HarmonyOS」の次世代バージョン。昨年11月に展開が発表されており、その最大の特徴として脱・Androidが挙げられている。
現行のHarmonyOSはオープンソースで開発される「Android Open Source Project」をベースにした、Androidの一種に過ぎなかったが、NEXTからは独自カーネルへの移行が行われる。これにより、従来までAPKファイル経由で可能だったAndroidアプリは動作しなくなり、完全に独立したOSになる。
今年6月に開催した同社主催の開発者会議ではNEXTのベータ版が披露を披露した。独自カーネルを採用することで最適化が施されているとして、現行から「パフォーマンス効率を30%向上」「消費電力を20%削減」を挙げていた。
一方で完全独立の弊害としては、従来のAndroidアプリが利用できなくなることもある。現在、国内デベロッパーはネイティブアプリの開発を行っているとみられ、中国の電子商取引大手・京東は、すでにネイティブアプリ開発を完了し、OSのローンチに合わせてリリースする予定だという。
2019年に発表されたHarmonyOSは、当初スマートテレビ向けに展開された独自OSとして、以降はスマートフォンスマートウォッチ、家電まであらゆるデバイスに搭載さている。米国による制裁でGoogleのモバイルサービスフレームワークへのアクセスが制限されて以来、ファーウェイにとって独自OS開発は重要な課題となっていた。
なお、日本国内においては現在スマートフォンデバイスを販売していないため、影響はほぼないといってよい。