急成長中のスキマバイト市場、アプリ利用者は“25-34歳”が最多 タイミー筆頭に長期型と異なる利用者層
アルバイト求人市場において単発・スキマ時間活用型のマッチングが急速に台頭しているが、特にアプリを通じたやり取りが増えている。モバイルアプリ分析会社Sensor Towerの調べよると、2022年8月から2024年7月までの2年間で、単発バイト特化型アプリ「タイミー」が圧倒的なダウンロード数を記録していることがわかった。
2018年8月にiOS版をリリースしたタイミーは、新型コロナウイルスの影響で2020年第2四半期から一時的な低迷を経験。しかし2022年第2四半期以降は回復基調に転じ、特に学生の夏季・冬季・春季休暇期間に合わせて安定的な成長を遂げている。タイミーには特徴的な機能として、利用者のスキルや実績を可視化する「バッジ機能」を実装しており、雇用側の信頼性確保にも取り組んでいる。
また、ダウンロード数で2位につけたのは、人材大手パーソルグループが展開する「シェアフル」。2024年2月にサービス開始5周年を迎えた同アプリは、2023年1月からアプリ内活動や歩数に応じてポイントが貯まる「ポイ活」機能を導入するなど、ユーザー層の拡大を図っている。
利用者層の分析からは「スキマバイト」ならではの特徴も見えてくる。従来型の求人アプリ「バイトル」「タウンワーク」では18-24歳が約40%と最大層を形成している一方、タイミーとシェアフルは25-34歳の年齢層が約30%を占め最多となる。また、タイミーとシェアフルの利用者には、一般人口と比較して「ライブイベント参加者」が顕著に多いという特徴が見られ、趣味や余暇活動の資金確保を目的とした短期的な就労ニーズがあるようだ。
ダウンロード数の成長量でも、タイミーとシェアフルが上位を独占。上位5アプリのうち3つが「単発」をアプリ名に冠しており、求職者の就労形態に対する意識変化が鮮明となっている。この傾向は、従来の長期固定型から、より柔軟な単発・スキマ型へとアルバイト市場が構造的に変化していることがうかがえる。
男女比については、これらのバイト探しアプリ全般で概ね男性6割、女性4割という構成比となっている。また、利用者のペルソナ分析からは、「ギグワーカー」や「柔軟な支払い者」が上位を占め、タイミーとシェアフルでその傾向が顕著であるようだ。
その他、バイトルでは「デジタルソーシャライト」、タウンワークでは「ファッショニスタ」といったデジタルネイティブ層の利用が目立つなど、アプリごとの特徴的な利用者層の存在も確認された。