ゲームは対戦よりも“一人プレイ”が好まれる?直近にはソニーも…市場は「飽和状態」と調査会社


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近年のゲーム業界はオンライン対戦などを主とする「ライブサービス型」のゲームが大きな存在感を放っている。しかし、最新の調査によれば、ゲーマーの53%が依然としてオフラインの「シングルプレイ型」に類されるゲームを好んでいることが明らかになった。

海外の調査会社MIDiAが取りまとめた最新の報告によると、ライブサービス型ゲームは各種FPSタイトルを筆頭に『フォートナイト』などの多数の人気作が乱立、既に飽和状態にあるとして、新規参入の余地は著しく限られていると紹介した。これは小規模なメーカーだけでなく、AAAタイトルを手がける大手も例外ではないとして、セガやSIEを例に挙げた。

若年層はライブサービスを好む傾向も、全体では過半数下回る

好むプレイ形態を問う調査では、24歳までの層がライブサービス型がシングルプレイ型を上回っていたが、以降の層はすべていおいて一転。高年齢層になるとその傾向は顕著で、ダブルスコア以上の差をつける結果も見られた。

直近ではSIEが発表した「Concord(コンコード)」が記憶に新しい。ゲームスタジオ・Firewalk Studiosが手がけた5対5のFPSシューターゲームとして展開されていたが、他作品が課金モデルによる基本プレイ無料が多いなかで、有料での展開だっただけに、わずか2週間でのサービス終了となった。

その一方で、シングルプレイ型ゲームでは新たな展開が見られており、『エルデンリング』は2500万本を記録、今夏発売された『黑神话:悟空』も大ヒットとなるなど、新規IPでも大きな成功を収めている。特に25歳以上のゲーマー層において、仕事や生活との両立のしやすさから、シングルプレイ型ゲームへの需要が高まっているようだ。

また、初期投資に1億ドル、年間運営費に2億ドルを要する『原神』を筆頭に、継続的な運営コストが必要となるライブサービス型と比較すると、シングルプレイ型ゲームはコストが抑えられる可能性があるとして、メーカーからも支持があるという。

こうしたビジネス的背景も加わり、大手のデベロッパーの方針転換も見られているとして、レポートではこれらを「レッドオーシャンからブルーオーシャンへの軌道修正」と形容していた。

著者 編集部 経済・社会担当
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