Xboxで“開発者離れ”が深刻?顧客は嬉しいが…廉価モデルに開発者「本当に面倒」と忌避


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コンソールゲーム機「Xbox」シリーズをめぐり、マイクロソフト社は近日、ゲーム開発において他プラットフォーム展開を優先しXboxを見送る状況が増加しているとして、開発者との対話の必要性を強調した。

マイクロソフトが展開する「Xbox」シリーズは任天堂のNintendo SwitchやソニーのPlayStationと並ぶゲーム機として、主に日本国外で多くプレイされている。Xboxは現行機種として「Series S」と「Series X」の2モデル展開となっており、特に下位モデルである「S」は5万円を下回る低価格さが大きな魅力となっている。

Series Sは上位である「X」と比較して性能を落として低価格化を実現しており人気を博す一方、その特徴がゆえに、ゲーム開発者からはマイナスな意見が目立っているようだ。

海外デベロッパーのDel Walker氏は先日、Xにて「Series Sなんて存在しなければよかったのに」とポスト。「(Series S用に)最適化するのは本当に面倒だ。残念ながら、今後は Xbox によってリリースがスキップされるゲームが増えることになると思う」と苦難を表明していた。

同氏は続けて「Series Xは素晴らしいハードウェア」と補足。性能の大きく異なる2つのモデルが同時に展開されているがゆえに、両方のモデルに向けて最適化しなければならないことが問題だとされている。

この問題により、ゲームデベロッパーやメーカーは追加の工数を強いられ、「Sのみ画質やフレームレートを落とす」というような妥協を余儀なくされるケースあるとも指摘されている。また、同時期によれられた意見では、マイクロソフト社の対応の遅さも不満として挙がっており、Xbox向けタイトルローンチに時間を要する可能性もあったという。

こうした状況を受けてか、マイクロソフトは9月30日、新たなXboxの取り組みを発表。これまでプレイヤー視点での体験に重点を置いていたリサーチ部門「Xbox Research」を再編し、開発者やメーカーのニーズ把握に注力する方針を明かした。同部門の担当者は「開発者の皆様がXboxプラットフォームでの開発に十分な支援を実感できる環境作りを目指します」と述べている。

ここでの開発者とは、現在Xbox向けに開発を行っていない層や、これから行いたいとする層も含まれるとしており、多方面からの意見を積極的に募るという。特に先述したハードウェア制約はプレイヤーとデベロッパーで捉え方も異なるが、良い方向に行くか注目しておきたい。

オタク総研編集部

著者 オタク総研編集部
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