夏アニメ、注目を維持し続けた作品とは?全体的に下降のなか「負けヒロイン」は急上昇…人気アイドルの紹介など貢献か


アイキャッチ画像

ブシロードグループのゲームビズは4日、2024年夏アニメの注目度維持率に関する調査結果を発表した。SevenDayDreamersと共同で実施した今回の調査では、Googleトレンドの検索量データを用い、放送開始から10週目までの注目度の推移を分析している。

調査結果によると、夏アニメ全体の注目度は、放送開始直後から急激な低下傾向を示しめおり、放送1週目を基準とした場合、2週目には78.23%まで低下し、4週目には48.09%にまで落ち込む結果となった。

口コミや放送中施策が注目度維持に影響か

そうした中、放送途中での注目度の急上昇を記録した作品として「2.5次元の誘惑」と「負けヒロインが多すぎる!」の2つを挙げている。10週目時点でそれぞれ125.64%、101.82%という高い維持率を示した。

■注目度維持率上位5作品(10週目)
「2.5次元の誘惑」:125.64%
「負けヒロインが多すぎる!」:101.82%
「杖と剣のウィストリア」:85.00%
「ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで」:78.05%
「俺は全てを【パリイ】する〜逆勘違いの世界最強は冒険者になりたい〜」:68.75%

特に「負けヒロインが多すぎる!」は4-6週目にかけて注目度が114.55%から181.82%へ急上昇。この背景として、ニッポン放送のラジオ番組『ANIMEコンシェルジュ』でゲストのSnow Man佐久間大介さんが、「負けヒロインが多すぎる!」を紹介したことが大きかったと分析しており、大きな影響を与えた可能性がある。

また「2.5次元の誘惑」は、9月初旬にスマートフォン向けゲームのリリースに合わせて注目度が大幅に回復。こちらはGoogleトレンドの仕様上ゲームの注目度も含むものの、メディアミックスでの展開が奏功しているようだ。

その一方で、「しかのこのこのここしたんたん」や「逃げ上手の若君」など、放送開始前には高い注目を集めながらも、放送中の注目度上昇に至らなかった作品も確認された。なお、本稿での維持率は絶対的な人気や視聴率を表すものではなく、各作品が初回放送時の注目度をどの程度維持できているかを示していることには注意したい。

■放送中に注目度が上昇しなかった作品(10週目)
「先輩はおとこのこ」:43.00%
「逃げ上手の若君」:29.00%
「多数欠」:19.00%
「しかのこのこのここしたんたん」:15.00%

この結果について同社は、VOD(ビデオ・オン・デマンド)の普及により、視聴者が放送途中からでも容易に作品に追いつける環境が整っていることから、放送中の継続的なプロモーション施策の重要性が増していると分析している。

今後のアニメビジネスにおいては、企画段階から放送終了まで一貫したプロモーション戦略を立案し、視聴者の反応を見ながら柔軟に調整していく姿勢が、作品の成功を左右する重要な要素になると分析している。

Credit:SevenDayDreamers/株式会社ゲームビズ

コンテンツ制作のお問い合わせ
著者 編集部 経済・社会担当
オタクの“今”を届ける新・総合メディアより、アニメ・ゲーム等関連企業の動向やコンテンツ産業の動きを紹介します。エンタメと経済、双方の視点で迅速に、わかりやすく、独自の切り口でお届けいたします。

icon 関連リンク