DLsite運営元、違法アップロード対策で“DMCA申請428万件”成果を公表…違法行為を「未然に防ぐ」寄り添う取り組みも
2次元総合ダウンロードサイト「DLsite」を運営するエイシスは、インターネット上の違法コンテンツアップロードに対する取り組みが10年を迎えたことを発表した。2014年7月から本格的に開始したこの活動は、DMCA申請や削除申請を中心に展開されている。
同社の活動は、クリエイターや制作会社を保護し、コンテンツ産業と文化の発展を図ることを目的に、作品の作り手が本来得られるはずの収益や適切な評価を阻害し、創作活動の継続を困難にする要因となる「違法アップロード」を容認しない姿勢を示す。
10年間の活動成果として、GoogleへのDMCA申請が累計428万件以上、違法アップロードサイトへの削除要請が328万件以上に上ることが明らかになった。また、クリエイターやユーザーからの情報提供も合わせて23万件以上を記録している。
クリエイターの保護を重視、未然に防ぐ取り組みも
DMCAとはデジタルミレニアム著作権法のことを指し、GAFAM等が運営する検索エンジンやプラップに対して、DMCAに則って著作権侵害の削除を申請することができる。Googleの場合は、DMCA通報を申請し許諾された場合、違反と判断されたサイトは検索結果に表示されなくなる。
一方で申請には個人名などをあわせて送付する必要があり、個人クリエイターなどは身バレのリスクも存在。エイシスはこうした現状に対応するため、法人として一括して通報する仕組みでクリエイターを保護しているという。
さらに同社は、違法アップロードを未然に防ぐ取り組みとして、作品の多言語翻訳・販売サービス「みんなで翻訳」を立ち上げた。これは、正規の流通ルートで迅速に公式の翻訳作品を提供することで、海賊版の流布を抑止する狙いがある。
エイシスは今後も、違法アップロードや海賊版という社会課題に継続して取り組んでいく方針で、藤井代表は「今日まで活動を継続し対応を行ってまいりましたが、まだまだ私共が理想とする環境には遠い状況です。」と述べ、継続して展開する方針を示している。