当時は賛否あったようだが…「デジモン」25周年で再ブームの兆し?暗黒期を乗り越えてファンの反応にも変化


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アニメ『デジモンアドベンチャー』放送から25周年となった今年、巷ではにわかにデジモン熱が過熱し、再ブームの兆しを見せている。

25周年に特別企画など盛りだくさん

1999年3月6日に公開された劇場版『デジモンアドベンチャー』、翌3月7日に始まった同タイトルのTVアニメを皮切りに、日本のみならず、世界中に広がったデジモンブーム。初代オープニングテーマの『Butter-Fly』はアニソン界の歴史に刻まれる一曲として、今なお人気を博して歌い継がれているが、今年はデジモンそのものが熱い。

25周年を盛り上げようと、初代のアニメ『デジモンアドベンチャー』をYouTubeやTOKYO MXにて毎週放送。『デジモンアドベンチャーアニメ25周年展』を東京・大阪で開催、さらにYouTubeで『デジモン公式チャンネル』が始動するなど、公式の動きにかなり力が入っている。

また昨年の2023年10月には、2000年に放送された『デジモンアドベンチャー02』のその後を描いた新作劇場版アニメ『デジモンアドベンチャー 02 The Beginning』も公開された。これによって、デジモンは終わった作品ではなく、今なお、新しい物語が紡がれている現在進行形の作品であることを感じさせてくれた。

だが、ここに至るまでには、かなりの苦労もあった。デジモンは、初代アニメから、『02』、『デジモンテイマーズ』と3作連続でヒットを飛ばしていたが、4作目の『デジモンフロンティア』で人気に陰りが。その後、キャラのデザインを変えたりと、方向性を変えたアニメが何作か制作されたが、初代のようなヒットを飛ばせず、人気が下火になっていったという。

そんななか、2015年から起死回生の一手として、初代『デジモンアドベンチャー』の続編となる『デジモンアドベンチャー tri.』シリーズを始動させた。

『デジモン』といえばやはり初代、ファンの注目度はかなり高かったのだが、声優の変更、キャラクターデザインを大幅変更したことで、古参ファンが猛反発。シリーズ始動時は、“あの傑作の初代デジモンが帰ってくる!”とのことで期待されていたが、全6作の劇場版を作って、回を重ねるごとに興行収入が落ちるような結果となった。

20周年からの復活劇

こうして、一度は終わりかけてしまったデジモン人気。しかし、2020年にシリーズ20周年記念作品として、『tri.』の後日談ではあるが、キャラクターデザインを2000年当時のデザインに近づけた『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』(以下、ラスエボ)を制作。

2020年から21年にかけては地上波で、初代『デジモンアドベンチャー』のリブート作品『デジモンアドベンチャー:』を放送して、新規ファンを獲得するとともに、離れていってしまった大人ファンたちも再び呼び戻すことに成功した。

今回の25周年企画の中では、YouTubeにて期間限定で『ラスエボ』を無料配信するという大盤振る舞いなものもあった。当時、『tri.』の評判の悪さから、その続編となる同作を避けていた人も多くいたようだが、今回の企画で初めて見たという層からは「ラスエボは食わず嫌いしてたんだけど、試しに視聴して本当に良かった、ボロ泣いた」「試しに見たら、当時の評判よりくそ良かった」「放映当時は賛否あったらしいけど僕は良かったと思う」「デジモンの映画がYouTubeに上がってたから何の気なしに見始めたら嗚咽出るくらい泣いた」「YouTubeにあったから初めて観たけど、えー正直2億点です。いや、5億点、いや、2兆点…ちなみにtriは2点」といった、感動と驚きの声があがっている。

2000年代は、ポケモン派かデジモン派か……と言われるほどに、強いコンテンツ力を持っていたデジモン。ポテンシャルがすさまじいことは確実だ。『ラスエボ』のように、当時、正当に評価されなかった作品の再評価なども後押しとなり、この25周年で人気が再爆発してくれることを期待したい。

著者 神山勝丸
ドラゴンボールとドラクエ、鳥山明を愛する30代。好きなアニメはサザエさん。

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