大事な展開見逃すかも…配信サイトの“エンディングスキップ”に賛否 勝手に飛ばされる仕様に「寂しい」アニソン歌手も意見


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今日、地上波とともに、アニメ視聴のスタンダードとなっている動画配信サービスは、視聴者の利便性を高める様々な機能が実装されており支持を得ている。その最たる例であるのが、各種「スキップ機能」だが、これをめぐり各方面から賛否両論の意見が寄せられ、改めて話題になっている。

話題の発端となったのは、先日24日にXに投稿された同機能に言及したポストで、エンディングを「勝手に飛ばす」一部動画配信サービスの仕様について「冒涜」ではないかと疑問を呈しており、2日間でのべ10万いいねを超える共感を誘い、議論を呼んでいる。

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動画配信サービスにおけるスキップ機能は、視聴するコンテンツの中にあるシリーズに共通する部分(例:オープニング、エンディング、前回のあらすじ)を通知し、効率よく視聴することをサポートするもの。その機能の実装はサービスによって異なり、例えば、Amazon Prime Videoなどではアニメ本編が終わりエンドクレジットが始まると、すぐに次の動画のサムネイルが表示。スマホアプリ版はユーザーが選択することでスキップできるほか、Web版はカウントダウン式で自動遷移する。

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プライム・ビデオでの仕様

作り手のからは複雑な心境も、視聴者としての影響は

この機能を支持する視聴者からは、主に一気にシリーズを視聴する層が挙げられ「一気見する際に便利」「時間の節約になる」といった肯定的なコメントが寄せられている。しかし、毎週ごとに最新話を視聴したいユーザーなどからは「ありがた迷惑」「勝手に表示されて邪魔」「エンディング観たいのに消せないの…」などと、マイナスな意見も多い。

また、この話題は一般視聴者にとどまらず、アニメ制作者や音楽アーティストといった、作り手からも複雑な心境を口にしている。

アニメ『ゆるキャン△』を筆頭に多数の楽曲を届けてきた、名古屋出身のアニソン歌手・亜咲花さんは自身のXで「エンディング曲を歌っているアーティストにとって、配信系でのエンディング飛ばし機能はかなり痛手なのです…」「アニメは特にですが、曲も作品の一部なのです。曲聴かれずに〜〜〜次の回に行ってしまうのが寂しい〜〜」と心情を吐露し、7,000いいねを超える注目を誘った。

こうした作り手からの意見もみられるほか、アニメファンから、スキップ機能を使うことの弊害として重要な内容を見逃す可能性がある」という指摘も上がっている。アニメは前半パート(Aパート)とCMを挟んだ後半パート(Bパート)に区切られるのが通例だが、一部作品には「Cパート」と呼ばれる、エンディング後の短い映像が用意されることもあり、後の展開に影響を与えるような描写がなされることも少なくない。

『鬼滅の刃』などでは楽しい「ミニコーナー」も…状況に応じた使い方を

このほか、一部の作品では「ミニコーナー」と題した、登場人物や作品への理解度をより深められるコンテンツも提供されている。しかし、動画配信サービスのスキップ機能はこうしたコンテンツがあることを伝えずに、そのままスキップを提案することから「知らなかった」という損な状況になりかねない。

加えて、動画配信サービスでは、そうしたスキップ機能の無効化や、おすすめ表示を非表示にする設定が設けられていない場合が多く「せめてユーザーに選択肢を与えて欲しい」とする声も見受けられている。ただ、サービス提供者側としては、視聴動向や嗜好を分析して得られたレコメンドにより、視聴促進を行いたい意向も理解できる。

もちろん、近年のアニメ業界の活況により非常に多くの作品が展開されており、近年の「タイパ(タイムパフォーマンス)志向」も加味すればサクッと見られて魅力的であることには間違いない。しかし、タイパを重視するあまり、作品の重要な部分を見逃すリスクも伴うため、バランスを取った視聴も心がけておきたいところだ。

 

著者 編集部 アニメ情報担当
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