ホビー大手のコトブキヤ、減収減益 円安で製造コスト増も、訪日客で店舗は好調…テレ朝の関連会社化も話題


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フィギュアやプラモデルの企画・製造・販売を手掛ける株式会社壽屋(コトブキヤ)は今月中、2024年6月期通期の決算を発表。売上高は前期比9.5%減の163億7923万円、当期純利益は同37.2%減の11億377万円となり、減収減益となった。円安や原材料費上昇に伴う製品仕入コストの上昇も利益を圧迫したという。

減収要因として、国内でのホビー販売が前期と比較して減少したことを挙げている。人気アニメIPの立体化作品など売上に貢献したアイテムの件数が減少したほか、北米市場ではコロナ禍で生じた物流混乱を発端とする在庫調整などが伸び悩みにつながったという。

中国市場では好感触、直営店舗も訪日客やVTuber貢献で好調

一方で、中国市場では人気オンラインゲーム『原神』のキャラクターフィギュア「蛍」および「空」が好調な売れ行きを示した。また、同社の自社IP(知的財産)である『ARTIST SUPPORT ITEM』シリーズからは、アクションフィギュア「ハンドモデル/R -GRAY-」および「ハンドモデル/L -GRAY-」が売上に貢献したと説明している。

同社は東京立川、秋葉原などで直営店舗を運営しており、店舗売上は伸長した。最近より人気VTuber事務所「にじさんじ」や「ホロライブ」、Vtuberグループ「ぶいすぽっ!」の公式ショップを展開したことで、VTuber関連商品の堅調な販売と訪日外国人客の増加がつながった。

今後の展開として同社は、アジア地域の特定代理店とプレミアムパートナー契約を締結するなど、海外展開の強化を図る方針を示した。2025年6月期の業績予想については、売上高、各利益を前期比3~5%増を見込んでいる。

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前期では12月に株式会社テレビ朝日との間で資本業務提携契約を締結、今年4月には同社の関連会社になるなど(知的財産)を活用したホビー展開を示唆している。人気IPの活用と海外市場の開拓を図る構えだ。

著者 編集部 経済・社会担当
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