東映アニメ、中東進出を本格化 サウジに「ドラゴンボール」パーク、ドバイに新拠点も設立計画
東映アニメーションは29日、2031年までの中期経営計画「VISION2030」を発表し、中東地域を新たな成長フロンティアの一つに位置づけていると紹介。ドバイに拠点設立を計画していることを明らかにしている。
2027年3月期から2031年3月期の経営目標として同社は中計最終年度に売上2000億円、利益(EBITDA)500億円を目指す方針を示し、海外展開の強化を成長戦略の柱に据えている。
中東地域に関してはスライド一枚を設けて「営業展開を本格始動」すると言及。その展開の目玉となるのが、2024年に発表されサウジアラビアで建設が進む世界初の「ドラゴンボール」テーマパークだ。
サウジアラビアのQiddiya Investment Companyが開発を進めるエンターテインメント都市「Qiddiya(キディヤ)」に竣工予定で、敷地面積は50万平方メートル超の広大なものとなる。
Qiddiyaとはサウジアラビアの首都リヤドで計画されている娯楽をテーマにした都市開発プロジェクトで、王国のムハンマド皇太子が率いる政府系ファンドが支援。昨年春のAnimeJapanにも出展していた。

パークは7つのエリアで構成され、「カメハウス」「カプセルコーポレーション」「ビルスの星」などを再現するほか、30以上のアトラクションを備える。中央には全高約70メートルの神龍と大型ジェットコースターが設置される予定で、ホテルやレストランも完備し、一日中ドラゴンボールの世界を体験できる空間となるという。
同社はこのテーマパーク事業を起点に、ドバイに新たな拠点を設立し、営業展開を本格始動させると言及。「中東パークにある成長機会を最大化」するため、日本国内からコンテンツやノウハウなどを展開し、最前線で成長機会を捉える方針を打っている。
今回の中期経営計画では、新たに6地域への進出を計画しており、海外現地体制を約300名規模に拡充。海外開発には5年間で約200億円規模の投資を見込んでおり、2035年までに海外売上比率を70%に引き上げることを目標に掲げている。
