KADOKAWA、サイバー攻撃関連で特別損失20億円 4-6月期は増収も通期予想を下方修正
KADOKAWAは14日、2025年3月期第1四半期(4月〜6月)の決算を発表した。売上高は前年同期比11.9%増の658億6,000万円と増収だった一方、純利益は同10.1%減の34億5,400万円だった。6月に発生したサイバー攻撃に係る「ニコニコ」サービスのクリエイター補償及び調査・復旧作業に要した費用として、暫定で20億円の特別損失を計上した。
同社は当四半期中の6月上旬にグループ会社への大規模サイバー攻撃被害が発生しており、ニコニコをはじめとする各Webサービスや出版システム、社内経理などが一時機能不全に陥るなど大きな被害を被った。業績全体に与える影響については、最新の発表まで「精査中」としていた。
出版やゲームなど好調、「ニコニコ」復旧対応の特損は累計37億円見込み
こうした中、14日に4-6月期の決算を発表。回復状況を鑑みれば引き続きの業績影響は見込まれるが、足元ではWebサービスにおける影響として特別損失を計上した。Webサービス事業では「ニコニコ」関連サービス全般が停止したことや、動画コミュニティサービスでの減収影響によりセグメント損失は3億9,700万円と赤字転落した。
その一方、中核となる出版事業では、アジアで好調が継続したことや米国でも業績が改善し海外事業が増収となり、セグメント利益は同194%増の30億2,800万円、ゲーム事業も『ELDEN RING』のダウンロードコンテンツが起爆剤になり、セグメント利益は108%増の24億600万円と成長を見せた。
あわせて、2025年3月期の通期連結業績⾒通しも発表。売上⾼は期初見通し比据え置きの2,713億円、営業利益は同9億円減の156億円としつつも「ニコニコサービスのクリエイター補償費⽤や調査・復旧費⽤などの特別損失36億円を計上する⾒込みである」として、純利益は37億円減の97億円と下方修正を行った。