一時“お茶の間が凍るCM”で話題だった「メメントモリ」GW商戦で伸び悩み 爆発的ヒットの反動も大きく


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スマートフォンゲーム開発・運営の株式会社バンク・オブ・イノベーションは13日に2024年9月期第3四半期決算(2023年10月1日~2024年6月30日)を発表したなかで、同社の主力タイトルの一つである「メメント・モリ」関連の現況を共有した。

13日の発表によれば、3四半期連結での売上高は前年同期比39.8%減の107億7,700万円、営業利益は同72.1%減の13億3,200円と大幅な減収減益に。減収要因は2022年にリリースした「メメントモリ」の一時的な初動の反発が大きかったこと、減益要因は新規RPG案件の開発費が先行したことなどを挙げた。

全社売上の9割を占める「メメントモリ」CM展開活発もGWは伸び悩み

そして、前の四半期と比較しても減退している点については、GW時期に「メメントモリ」のユーザー獲得が想定より振るわなかったことがあったという。「メメントモリ」とはBOIが手掛けるスマートフォン・PC向け新作RPG。2022年10月のリリースまでに事前登録120万人を超え注目を集め、以後1年で同社売上の92%を占めるまでに成長した。

同作はリリース当初よりプロモーションに力を入れており、ネット広告や街頭広告、数多くの在京/在阪キー局にスポットCMを出稿している。特に夏季長期休暇や年末シーズン、ゴールデンウィークなどの視聴されやすい時期には新作映像を製作しており、2023年5月度のテレビCMの放送回数の調査結果では全国5位にランクインしていた。

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そして、本年5月のGWシーズンも前年に引き続きCM展開を行っており、同作の魅力を俳優・鈴鹿央士さんを起用した実写映像で伝えた。同タイトルのCMはかつて「メメントモリで私を好きになる…」とのフレーズに始まるシリーズが多く放映されており、独特な静けさが特徴的であることから、ネットでは「お盆で家族が集まる時にお茶の間が凍る」といった声も寄せられていたが、今回は他タイトルに並んだような一般的な作風となった。

しかし、CM展開を筆頭に、その他要因を含めユーザー獲得が想定を下回ったとして「TVCM投資について、引き続き回収可能性を検証しながら、実施するかどうかを判断」すると説明。リリース後1年間で55億円を投じてきた宣伝費の見直しも視野に入れていた。

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同社は中長期的な成長戦略として、複数の新規アプリの企画・開発に注力しているが、既存タイトルの不振をカバーするには時間がかかる可能性も。その他展開としては、5月からPlayストアやApp Store等を介さない課金方法を提供しており、諸手数料が5%ほど減る見込みも示している。

© Bank of Innovation, Inc.

著者 オタク総研編集部2班

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