広告で稼ぐ「ハイカジゲーム」強豪のカヤック、4-6月期は5年ぶり赤字転落 広告単価の下落や分野競合に押され苦戦


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株式会社カヤックは14日、2024年12月期第2四半期(1-6月)の半期決算を発表。売上高は前年同期比5.1%減の77億300万円、営業利益は87.4%減の5,088万円と大幅な減益を記録、四半期ベースでは約5年ぶりの営業損失となった。

減収減益について、ゲームエンタメ事業で展開する主力のハイパーカジュアルゲームの成長性低下や、外部環境の悪化が主な要因だといい、同事業の売上高は前年同期比13.5%減の44億800万円となっている。

“億超え”アプリもあるハイカジゲーム、直近は苦戦

ハイパーカジュアルゲーム(ハイカジゲーム)とは直感的なルールで短時間で遊べるゲームを指し、言語障壁を生まないことから新興国地で多くダウンロードされ、同社発のタイトルでは1億DLを超えるものも存在する。ビジネスモデルはアドネットワークを用いた広告配信による収益が主で、過去数年の同社の業績の柱となっていた。

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しかし、同社のハイカジゲーム領域は成長性が徐々に弱まっていることがうかがえ、他領域の台頭などで同四半期のダウンロード数は14.6%減の約1億4,970万件にとどまった。加えて広告市況の悪化も大きかったといい、4月〜5月の広告単価が想定以上に下落したことも減退に繋がった。

ハイカジゲームの影響については期初より織り込み済みで、通期の業績予想は据え置き売上高200億円(前期比14.5%増)、営業利益10億円(同2.1%減)を見込んでいる。

今後はダウンロード数減少の主要因だという、台頭する「ハイブリッドカジュアルゲーム」への投資を進め、新規リリースを行うなど後れを取る現状の打開を目指す。また、ハイカジゲームのほかに、一般的なソーシャルゲームとして「ぼくらの甲子園!ポケット」「キン肉マン マッスルショット」を運営しているが、後者は7月をもって運営を終了している。

オタク総研編集部

著者 オタク総研編集部
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