手指6本のシーンも…マクドナルドが作ったAI広告動画に「不気味」「なぜ作った」ツッコミや批判相次ぐ
日本マクドナルドが17日に自社の公式SNSアカウントに投稿した「生成AI」を活用したプロモーション動画に賛否やさまざまな意見が寄せられている。
映像はXアカウントなどで公開されており、本日8月19日(月)から始まる「マックフライポテト」の250円セールを告知するために作成されたもの。音楽に合わせて「お得に食べられる」ことを伝える内容になっているのだが、その映像には画像生成AIが用いられているという。
AIクリエイターが制作したプロモーション動画
映像には実写を思わせる若い女性が数秒おきに登場するものとなっており、AIクリエイターを名乗る架空飴氏がイラスト生成とアニメーションを担当している。全編見られるので実際に見ていただきたいが、それぞれのカットのアニメーションはほとんど動いておらず、若干揺れているように見せるモーションとズームイン/アウト程度のものだった。
加えて、一部のカットには不必要な物体が映り込んでいたほか、ごく一瞬のシーンだけ女性の左手の指が6本あるなど、視聴者からは「不気味」などとの感想が寄せられていた。
AI♡ポテト#月曜からポテトML250円#AIラブポテト
※タップしてご覧ください pic.twitter.com/WFOUmHeJ0c
— マクドナルド (@McDonaldsJapan) August 17, 2024
画像生成系のAIは近年急成長を遂げる一方、その出力結果が「不気味の谷」に陥りやすいことが知られている。不気味の谷はロボットやAI等の人工物が人間に似せる過程で、ある時点で急激に嫌悪感や不気味さを感じる現象を指し、「指6本」といったわかりやすいものだけでない、全体から感じる雰囲気も「不気味さ」を醸し出す要因になっているようだ。
このほか、今回のように生成AIをクリエイティブ、特に広告類に用いることへの是非も寄せられており、同投稿はリポスト数よりも引用投稿の数が多いほどに議論を呼んでいる。
生成AIは高品質なコンテンツを出力するために多くの学習データを要する。特に画像分野では学習に他者のイラスト、写真を用いることが多いほか、生成物の著作権を巡る日本の現行法などの現状から、クリエイターが多く活動するXでは「AI派」「反AI」とも称され、幾度となく議論が交わされている。
また、映像クレジットの表記について、18日現在、作成者の「@メンション」が無効になっており、マクドナルドや関係者も批判的な意見が寄せられることを予知していたとの指摘もあった。さらに、一部では「広告代理店の実績作りにやったのではないか」との可能性も予想されていた。