マイクロソフト、懸念相次ぐスクショ活用のAI機能「Recall」プレビュー版提供を一時見送り


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米・マイクロソフトが発表し、多数の懸念が寄せられている生成AI機能「Recall」について、6月18日から「Copilot+PC」向けに搭載を予定していたプレビュー版の公開を見送ることが発表された。今後はWindowsのベータ版制度「Windows Insider Program(WIP)」に向けた提供へ方針転換し、数週間内での提供を予定している。

Recallとは、マイクロソフトが新たに制定した認定制度「Copilot+ PC」に適合する製品を対象に搭載される予定だった新機能。定期的にデスクトップ画面のスクリーンショットを取得、保存し、これらを情報源として生成AIに与えることで、よりパーソナライズされた回答の提示が行えるようになるというもの。

各スクリーンショットはOCR(光学式文字認識)によるテキストデータの変換を経て、Copilotを通じた生成AIへの提示も行われるといい、発表直後より「気味が悪い」「機密情報を表示するだけでも漏洩リスクがある」などとして、プライバシーに対する懸念や批判的な意見が相次いだ。

これを受けて、マイクロソフトは今月7日にこれらの懸念を払拭するための説明を「Windows Blog」を通じて説明したうえで、そのRecallにおいて複数の仕様変更を行うと伝えていた。

変更の内容はまず第一に、デフォルトで無効になり、ユーザーが手動で機能を有効にしない限り利用できないようになる。そして、Recallを有効にするには、指紋や顔といった生体認証「Windows Hello」の登録を必須としたうえで、復号化も厳格な認証を必要とすることをアピール。このほか、プライバシー観点では「プライベートウィンドウの撮影は行わない」「スクショはアップロードしたりサーバー上で処理したりしない」「保存した内容はいつでも削除できる」などと紹介していた。

しかし、プレビュー版かつオプトイン方式になるとはいえ、実験機能を直接「Copilot+」PCに搭載するのはいまだ拒否感を示すユーザーも多く見受けられ、こうした状況への対応として、マイクロソフトは実装を見送ったことが13日に発表することとなった。

今後は無料で登録できる「WIP」の購読者を対象に、数週間内でRecallを試せるようになる見通し。

著者 編集部 IT/デジタル担当
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