Windows内蔵の「Copilot」早くも機能縮小?開発者版でショートカット消滅、背景には「Copilot+」促進の狙いとも指摘
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米・マイクロソフトが6月中旬に配信したWindows 11の開発者向けプログラムにおいて、近年に実装されたチャットAI機能「Copilot」より一部機能が削除される変更が含まれ、話題になっていた。
Windows 11の新機能や最新の変更をいち早く試すことができる開発者向け先行プログラム「Insider Preview」では、新たにベータチャネルとしてKB5039319を配信。これまで「Winキー+C」で呼び出すことができたWindows 11内臓のチャットAI機能「Copilot」のショートカットが廃止される変更が行われた。加えて、画面右端にあるCopilotアイコンについても、今後は「タスクバーに固定されるアプリへと進化」するとしている。
マイクロソフトのCopilotはWebサイトや検索エンジン「Bing」、専用スマホアプリなど多様な形態で提供されているが、中でもWindows内蔵型のCopilotではシステム設定を一部変更できるというより柔軟な連携が可能な仕様であり、ユーザーからは重宝されていた。しかし、この連携機能についても将来的には廃止し、単なるWebアプリ(≒PWA)になる可能性があるという。
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これらの変更はあくまで開発者向けのみに適用されるものであり、実際の実装の是非は不明なものの、ユーザーからはその変更の背景として「Copilot+」を推進したいマイクロソフト側の意向があるとも指摘されている。
Copilot+とは、生成AI機能を活用と促進を図るべくマイクロソフトが5月に発表したデバイスコンセプトとその認定制度。Copilot+への認定にはAI処理に適した専用プロセッサ「NPU」の搭載などを準拠する必要があり、現在HP、レノボ、ASUSなど複数のPCベンダーが準拠した製品を発表している。
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Copilot+認定製品にはオンデバイス(↔クラウド)処理で画像を生成する「コクリエーター」等のツール群が提供されるほか、専用の「Copilotキー」が搭載し、一発でCopilotを呼び出すことができる。
こうした新たな動きの中での、一般向けWindowsの「Win+C」廃止であったため、同機能を愛用していたヘビーユーザーには「ぜひCopilot+パソコンに乗り換えましょう」とする、販促メッセージも込められているのでは、などと予想されていた。