アップル、新作広告でまたも取り下げ事案に発展 タイ語圏から「時代遅れ」批判相次ぎ、今年2度目の物議
米・アップルが公開した映像広告「The Underdogs」の最新シリーズについて、タイ語圏を中心に批判が集まっていることを受け、同社は当該動画の非公開化を実施した。
7月中旬に公開された「OOO(オフィスの外)」と題された広告では、職場チームを想定した4人の演者が登場し、派遣されたタイでアップル製品を使いながら業務をこなす様子がコメディを交えつつ描かれた。しかし、映像中に展開されたタイを舞台にしたシーンが「時代遅れ」としてタイ語圏で問題視されることに。
トゥクトゥクをはじめとするタイの生活描写や映像にセピア調のフィルターが掛けられていたことから「タイを後進的に描いている」として批判が寄せられた。報道によれば現地議会の報道官もこれに反応し「国民はこの広告に深く不満を抱いている」とする発言もあったという。
「悪気はない」として寛容な意見もあったものの、一連の批判の高まりを受け、アップル社は直近に広告の配信を中止。同広告は現地の制作会社と共同で作成したと釈明しつつも、報道を通じた声明で「今日のタイの活気を十分に捉えきれなかった(we apologize for not fully capturing the vibrancy of Thailand today.)」として謝罪した。
アップルの広告をめぐる事案は、つい本年5月にも「Crush」と題した映像が記憶に新しい。新型iPadの薄さとスマートさをアピールするために、プレス機で楽器などを粉砕し置き換わるというコンテンツを配信し、クリエイターなどから批判が殺到した。こうした中での今回の取り下げだっただけに、「今年で2度目の失態」だとして、マーケティングチームの姿勢を疑問視する声が見られている。