壬氏は“とにかく美人”故に作り手も苦労…『薬屋のひとりごと』初の海外イベントで北米ファン大興奮


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日本テレビ系列にて2024年3月まで放送され、第2期放送も翌年に控えるTVアニメ『薬屋のひとりごと』では、去る4日〜7日までの期間にアメリカ・ロサンゼルスで開催された北米最大のアニメコンベンション「Anime Expo 2024」にパネル出展した。

TVアニメ初となる海外での大規模ステージとなった今回、「The Apothecary Diaries SPECIAL EVENT Powered by TOHO animation」と題し、長沼範裕監督、キャラクターデザイン・中谷友紀子さん、色彩設計・相田美里さんが登壇。会場内には、北米のファン3400人が集結した。

スタッフ陣がLAで語ったこだわり

会場には猫猫や壬氏のコスプレに身を包んだ人たちの姿も見られ、開始前から熱気に包まれたなか、スクリーンに『薬屋のひとりごと』のビジュアルが投影されると、会場からは大歓声が。長沼監督たちが登壇すると、場内は拍手と歓声に溢れた。北米のファンを目の前にして、長沼監督からは「『薬屋のひとりごと』では初の海外イベントなので、こうやって海外のファンの皆さんにお会いできてうれしいです。北米でこんなに愛してもらえていて、みなさんが楽しんでいる様子を直接見ることができて幸せです。」と感謝の言葉を伝えた。

はじめに、キャラクターデザインの中谷さんへ猫猫と壬氏のデザインへのこだわりを聞くと「猫猫は、性格的にかわいげのないキャラクターなんです。でも、みなさんに愛してもらえるように愛嬌のある顔を目指して作っていきました。壬氏は、“とにかく美人”。美人を書くのは一番難しいので、デザインが固まるまで苦労しました。」と答え、会場からは笑い声が。

そして、色彩設計の相田さんへ『薬屋のひとりごと』での色使いへのこだわりを聞くと、「色彩設計は、キャラクターや小道具に色を決めていく仕事です。基本となる色を決めたあと、シチュエーションや時間の中で変わっていく色も決めていきます。後宮の華やかさを出しながら、観ているみなさんが物語やキャラクターに集中できるようにまとまりを出すことを意識していました。

この作品ならではのポイントとしては、“キャラクターの感情”に合わせた表現をすることです。すこし不自然に見えるくらいに強い色を乗せたり、瞳の色をあえて鮮やかにしたり、逆に彩度を落として沈んだ感情を見せたりなど、細かく色の変化をつけています。」と作品の中の色使いに対するこだわりを明かした。

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また、アメリカでは、猫猫の強くてまっすぐなキャラクターがとても愛されているという話を受けて、猫猫が他と違う要素はどんなところか監督に聞くと「猫猫の強さは生まれ持った強さではなく、自分がこれまでの人生の中で培ってきた知識で、困難に立ち向かっていくところが魅力的だと思っています。周囲に流されることのない、猫猫の正義感も他の作品と違うところだと思います。また、猫猫は毒が好きなキャラクターなので、耳をぴょこん!と出したり、目をきらきらさせたりとアニメならではの表現もたくさん入っています。耳はある意味、毒レーダーみたいなものかもしれないですね笑」と答えると、会場からは笑いと拍手がもたらされた。

さらにこの日はスペシャルパフォーマンスとして、中谷さんによるライブドローイングも披露され、色紙に描かれていく様子をライブカメラで見ることができるというスペシャルな体験に北米ファンも釘付けになっていたという。

■The Apothecary Diaries SPECIAL EVENT Powered by TOHO animation
日時:7月5日(金) (北米西部時間)
会場:ロサンゼルスコンベンションセンター
登壇者:
長沼範裕監督
中谷友紀子(キャラクターデザイン)
相田美里(色彩設計)

■『薬屋のひとりごと』…後宮を舞台に「毒見役」の少女が様々な難事件を解決するシリーズ累計3300万部突破の後宮謎解きエンタテインメント作品。2023年10月よりTVアニメの放送がスタートすると、各配信プラットフォームの視聴ランキングで上位をキープするなど一躍話題に。2024年3月に放送された第1期の最終話終了後には、2025年TVアニメ第2期の放送決定が発表。さらなる盛り上がりを見せている。

©日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会

著者 編集部 アニメ情報担当