対戦格闘ゲームはどのようにして衰退から復活したのか 変遷を振り返る


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2023年に発売された『ストリートファイターⅥ』は約半年で全世界の販売本数が300万本を突破しました。1991年に発売された『ストリートファイターⅡ』が生み出した対戦格闘ゲームのブームですが、大流行の後に一時的に衰退した時期があります。なぜ、対戦格闘ゲームは復活できたのか――多くの人の粘り強い努力がありました。

90年代、ゲームセンターには若さと熱気が溢れかえっていた

1990年代前半から半ばごろの時期にゲームセンターへ出入りしていた方ならば、当時溢れかえっていた若さと熱気をよく覚えているでしょう。『ストリートファイターⅡ』が生み出した対戦格闘ゲーム文化は筐体をふたつ向かい合わせた「対戦台」の登場により大爆発を起こし、当時の若者を強烈に引き付けていました。

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「ストリートファイター」シリーズ以外にも「ザ・キング・オブ・ファイターズ」や「サムライスピリッツ」「鉄拳」「餓狼伝説」「ヴァンパイア」など数多くの人気シリーズが登場しましたが、中でも特筆すべきタイトルが『バーチャファイター』です。

1993年に姿を現した『バーチャファイター』は初めて3Dでキャラクターやステージを表現したタイトルで多くの注目を集め、続編となる『バーチャファイター2』でその人気は頂点へと達しました。ゲームセンターには『バーチャ2』の対戦台がずらりと並び、順番待ちをするプレイヤーたちが行列を作り、研究のために他人のプレイを凝視していたものです。

やがて「鉄人」と呼ばれるスタープレイヤーが現れ、TV番組にも出演するようになりました。それまで子供の遊びとして扱われていたゲームが社会に認められ、文化としての階段ををひとつ上がるきっかけとなったのが、対戦格闘ゲームのブームだったのではないでしょうか。

しかし、そんなブームにもやがて終わりがやってきます。理由は幾つかありますが、ゲーム性が高度化、複雑化して行ったため、簡単に初心者が入り込める世界では無くなってしまったことが大きいでしょう。

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対戦格闘ゲームの文化を粘り強く繋いだ人たちがいた

また、ブームの間にひたすら研鑽を続け、時間とお金と情熱を注ぎ込んだベテラン層の実力には、新参者では追いつくのが極めて難しいのも問題となりました。当時は現代のようにオンライン対戦は無く、トレーニングモードもありません。練習を積み重ねベテラン層に追いつける熱意を持つ人間は、それほど多く無かったのです。

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著者 早川清一朗