広告でお馴染みカジュアルゲームの最大手Voodoo、Z世代SNS「BeReal」を840億円で買収 マネタイズの課題解消なるか


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カジュアルジャンルを中心にスマホゲームを多数手掛けるフランスのゲームパブリッシャー・Voodooは12日、Z世代を中心に人気を集める写真共有SNS「BeReal」を5億ユーロで買収すると発表した。日本円では844億円規模。

「BeReal」はフランスのスタートアップがリリースした写真共有アプリとして、アメリカやヨーロッパ、日本などで4000万人以上のアクティブユーザーを誇る新興SNS。毎日ランダムな時間に通知が届き、2分以内に写真を撮影して投稿するという独特なスタイルを特徴としており、加工機能を一切持たないことから“リアルライフを共有”をコンセプトとする。

注目のBeRealの買収に名乗りを上げたゲームメーカーのVoodooは「アクアパーク.io」を筆頭に、ハイパーカジュアルゲームと呼ばれる片手で遊べるミニゲームを多数リリースしていることで知られている。同社タイトルの累計ダウンロード数は70億を超え、言語知識が不要なことから、アフリカ等の新興国でも遊ばれており、月刊アクティブユーザー数は1億5千万人にのぼる。

VoodooはBeRealに対し、成長戦略やインフラ投資を通じて双方のさらなる成長に務めるとしている。Voodoo共同創設者でCEOのAlexandre Yazdiは、BeRealのコンセプトに共感しつつ、潜在的なニーズを理解しているとして、買収を通じてBeRealをさらに巨大なSNSプラットフォームに成長できると意気込んでいる。

BeRealは現在、法人によるブランドアカウント制度などは存在するものの、会員制サブスクリプションや広告でのマネタイズには不足する点が見受けられる。その点Voodooはカジュアルゲームによる広告運用に関する経験や知識の蓄積があることから、そうした課題への打開などにも期待される。

市井

著者 市井
オタク総研 媒体統括。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス