動画が全スキップ?YouTubeに新たな“広告ブロック対策”と海外ユーザーが指摘 規制と回避のイタチごっこ状態
YouTube上でのコンテンツブロッカー、いわゆる広告ブロッカーの利用をめぐり、断続的に行われていた“ブロック対策”に新たな動きが見られたと指摘する声が海外にて寄せられている。
話題の発端となったのは日本時間の27日に海外掲示板・Redditにて更新された動画付きの投稿。動画にはYouTubeの視聴ページを開くと、動画再生から一秒足らずで再生時間の末尾にスキップし、再生が終了してしまう様子が納められており、投稿者によると、この現象は直近かつ“広告ブロッカーを使用している際にのみ”発生していると報告した。
この投稿が公開されてまもなく、40件以上のコメントがついており、そこには「問題が発生しました」「この問題を抱えているのは私だけではないようです」などと、同様の状況に遭っている報告が寄せられたほか、音声が再生されないといった別の不具合を指摘する投稿もあった。
しかし、事前の告知がないことや、環境によって発生する現象がまばらであること、そして過去にも「動画が再生されない」などの同様の事例が一時的にあったことを鑑みると、YouTube側が恣意的に行っていない可能性も高く、規制対策や利用者側との相性問題であるとの指摘も行われていた。
広告ブロッカーとは、Webサイトなどに表示される広告コンテンツを非表示にするツール群で、パソコンでは主にブラウザの拡張機能が、モバイル版ではアプリが主流。これらのツールを利用することで画面上から広告が表示されなくなることから、プライバシー保護を目的で利用される場合もある。
その一方で、広告収益での運営モデルを採るサービス提供側からは疑問視する声や、利用を阻止する動きが海外を中心に見受けられており、その一つとして昨年、YouTubeが本格的な規制を開始したことが大きく取り沙汰されていた。
YouTube Premiumに入ると“広告なし”訴えるも、いたちごっこ状態
昨年10月末からは全世界の広告ブロッカー利用者を対象に、広告を見るよう促すメッセージの配信を開始。以降も3回メッセージを無視したら強制的に見させない“スリーストライク制”を一部に導入するなど、規制に向けた姿勢を強めていたが、利用者の意思も固く、回避策が共有されるいたちごっこが続いていた。
YouTubeでの広告ブロック利用についても、一般的なWebサイトと同様に、スムーズにコンテンツにアクセスすることができるものの、YouTubeに動画を投稿して収益をもらうクリエイターやGoogleにとっては「タダ見」同然となり、広告収益の機会損失に繋がるとの見方がなされている。
なお、こうしたYouTubeによる広告ブロッカー利用者の引き締めについて、Googleは当初公開したメッセージにて「広告ブロッカーの利用は YouTubeの利用規約で認められていません」と明示しており、引き続きでの強い対策が見込まれている。