今年最初のApple Eventが7日開催 発表濃厚の“新型iPad Pro”に集まる期待と懸念
米・Appleは5月7日(火)に新製品を発表するオンラインイベント「Apple Event」の配信を予定している。ここでは明日に迫った同イベントの概要、そして期待されているポイントをおさらいする。
“2024年最初”のApple Eventである今回、テーマはズバリ「Let loose(解き放つ)」。これまでのイベントと同様にAppleの公式ウェブサイトやYouTubeでの全世界同時配信が予定されているが、今回は日本国内の場合、通常よりも早い午後11時からの配信となり、より見やすくなっている。
一方、アメリカ西海岸(太平洋時間)では同日午前7時からと朝早い時間に設定されているため、イレギュラーなスケジュールとして話題になっていた。
■発表濃厚な新型”iPad Pro”に期待されていること
肝心な発表内容についてだが、イベントのティーザーサイトで公開されているイラストが「Apple Pencil」を形どっていることから、新型iPadの発表はほぼ確実とされており、とりわけファンからは「iPad Pro」シリーズの最新モデルの発表に熱い視線が注がれている。正式な情報は公表されていないものの、Appleのメインラインナップでありながらも昨年から新製品の音沙汰がないことなどが、発表を期待させる背景にある。
iPad Proは2015年から展開されているiPadシリーズの最上位モデル。最大12.9インチの大画面ディスプレイや最高性能プロセッサを備え、クリエイティブ作業からゲームまで幅広いプロユースに適する製品となっている。直近の2022年発売モデル(第6世代12.9インチ/第4世代11インチ)では、MacBookと同じ自社開発チップ「M2」を搭載することでノートパソコン並みの高性能を実現しつつ、スタイラスペンの機能も強化され、利便性が向上していた。
そして明日、発表が見込まれる新型iPad Proについては、ユーザーから「ディスプレイの有機EL化」を望む声が上がっており、一部のアナリストも実現する可能性が高いと指摘。ブルームバーグなど一部報道機関や通信社までも同様の内容を伝えていた。
現行のiPad Proは「Liquid Retina XDRディスプレイ」と呼ばれるディスプレイを搭載し、発光部にはmni LEDを採用している。mni LEDは一般的な液晶よりも高精細な映像表現が可能になり多くの指示が得られているものの、有機ELに比べると黒の表現が見劣りすることや、”ブルーミング”と呼ばれる特有の問題を指摘する声が発売当初に話題になっていた。有機ELも万能ではなく、焼き付きなどの弱点も存在するなど一長一短ではあるが、ダークモードでの視認性向上や低消費電力化に期待が寄せられている。
■値上げ幅も気になるが…全貌は明日発表
最高スペックも魅力の一つであるがゆえに、搭載予定のプロセッサにも注目が集まっている。前モデルに引き続き、ノートパソコンにも使われるApple Silicon系チップの採用は確実とみられるが、現行の「M3」となるのか、AIパフォーマンスを強化した最新「M4」が搭載されるのかは正式発表を待たれる状況だ。
この他にも、”さらなる薄型化”といったポジティブな予想が観られる一方で、ネガティブな懸念点として”値上げ”を危惧する声も上がっている。一部では現行モデルから100ドル程度値上がりするのではないかとの見方もあり、Apple Pencil等のアクセサリーの購入や、円安相場も加味すれば、現行モデル以上の出費は覚悟したいところ。
また、“より大画面になったiPad Air”や“新型Magic Keyboard”“新型Apple Pencil”なども期待されているほか、ソフトウェア面では専用OSである「iPadOS」のアップデートに関する発表も見込まれる。(ただし後者は6月の開発者会議「WWDC」が本命か。)値上げが心配される反面、それ以上のワクワク感が湧き出てくるApple Eventは5月7日(火)午後11時から配信開始。