iPhoneの“非公式アプリストア”EUで誕生「ゲームエミュ」「昔のUIに戻す」クセ強アプリが登場予定


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Appleは今年3月、EUの定める新法「デジタル市場法 (DMA)」に準拠する新たな枠組みの一環として、サードパーティ製のiOS向けアプリストアを開放した。今後、最新版のiOSかつ欧州経済領域(EEA)内において、第三者が開設した非純正のアプリストアが利用可能になる。

先日、本枠組みの導入後、初と見られるサードパーティ製のアプリストア「AltStore PAL(AltStore)」がAppleの承認を受けて誕生した。AltStoreは本来、5年ほど前から発足したオープンソースによるiOS向けアプリストアの開発プロジェクトであり、当時はいわゆる“脱獄”と呼ばれる一種のハックを行わないと利用できなかった。

しかし、今回のサイドローディングにより、晴れてEU圏内で合法的に利用が可能に。AltStoreの開発者はiOS向けゲームボーイエミュレーター「GBA4iOS」の開発者でもあり、10年にわたり非正規のアプリを開発してきたことに触れつつ「この日は私が10年以上楽しみにしていた」と自身のブログにて綴っていた。

AltStoreは正式に提供を開始したが、現時点では2つしかアプリは用意されていない。内訳は任天堂ハードのマルチエミュレーター「Delta」とクリップボード管理アプリ「Clip」であり、いずれも本家本元のApp Storeでは“Review ガイドライン”による審査に通過できなかったものとなっている。(なお、前者「Delta」については先日、本家ガイドラインが変更になったことで、App Storeでの配信が叶っていた)

今後のストアラインナップとして「OS組み込みの辞書機能を単独アプリ化」「IPad上でWindowsを仮想環境で動かすアプリ」「ホーム画面のUIをiOS4風にしちゃうランチャー」といった、かなりクセ強めの展開を予定しているといい、いずれも「App Storeのルールにより存在できない小規模なインディーズ アプリ」を救済する手段にしたいとの展望を示していた。

なお、一連のアプリストアの開放において、Apple側は全ての運営権を第三者に委任しているわけではないほか、CTF(Core Technology Fee)という新たな手数料制度も同時にスタート。この制度負担に対応すべく、AltStoreでは「年間1.5ユーロでのサブスクリプション制」を導入する予定だという。

オタク総研編集部

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