解説動画で人気急上昇の「ずんだもん」初期発案者が本心を吐露「素直に喜べない状況だった」自身への誹謗中傷にも注意呼びかけ


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東北ずん子・ずんだもんプロジェクトにて企画や製作を務めていた榊正宗さんは12日、Xやnoteの投稿を通じてキャラクター「ずんだもん」との関わりについて言及し、自身への誹謗中傷行為を行わないよう注意を促した。

「ずんだもん」は東北地方の震災復興を目指して生み出された“ずんだ餅”をモチーフにした妖精として「東北ずん子」とともに、同プロジェクトにて展開されている。音声合成ソフトウェアで利用可能な音声ライブラリが配布・販売されており、これらを活用した解説動画がYouTubeやニコニコ動画などの動画共有サイトで人気を博している。

”美少女化前”の考案者が人気上昇について言及

そんな東北ずん子・ずんだもんプロジェクトについて榊正宗(さかき まさむね)さんは12日に「【考察】ずんだもんはなぜ流行ったのか?」とする記事を投稿。一部のキャラクター利用者から「初期ちょっとかかわっただけ」などと揶揄されていたことについて「デマです」と明確に否定。「ずんだもんは間違いなく私が発案したキャラクターです」「新海誠映画ににおける新海誠ポジションが私です」と自身の位置づけを述べつつ、約10年間にわたり会議を通じてプロジェクトの企画や諸業務を行ったと説明した。

その後、「公式活動が著しく停滞した」ことや「広告OK」といった比較的寛容な利用ガイドラインなどにより、無法地帯のような状態でキャラクターの利用が拡大したと振り返り「ずんだもんが人気になったのは、素直に喜べない状況でした。」と心境を吐露。YouTubeを中心に多様なジャンルで活躍の場を広げると同時に、一部の投稿者により“陰謀的内容を含む動画”や“特定人物を批判する動画”にも使用され、当初の企画意図から大きく離れてしまった側面を指摘した。

加えて、自身が「偽の東北ずん子原作者」とするデマが拡散されたことで“マナーが悪く陰謗論が好きな一部のずんだもんユーザー”から誹謗中傷を受けたとも明かしつつ「今後ずんだもんアイコンから過度な誹謗中傷があれば、新規の利用を全面禁止する」と厳しい姿勢を示した。

これは、榊さんが入院などの事情により同プロジェクトの企画から外れ、その後の2021年に発案された“美少女形態”に関与していなかったこと、そして榊さんが3年に及ぶ闘病生活中にSNSでの発信を行っていなかったことなどが原因にあり、新規利用者による認識に違いが生まれたのではないかとされていた。

権利巡り認識に相違も「中傷目的で利用控えて」共通して呼びかけ

なお、榊さんの投稿で「改善なき場合、全面禁止にする」という旨の方針については、著作権や著作者人格権の所在をめぐり《実現不可能ではないか?》などと議論に発展しており、版権元であるSSS合同会社の小田恭央CEOも権利関係で双方に齟齬が見られると言及するなど、複雑化している。

しかしながら、キャラクターを用いた特定個人に対する誹謗中傷行為は“誰に対しても許容されない”との考えは両者共通していることからも、利用者は「キャラクターを誹謗中傷目的のコンテンツで利用してはならない」というガイドラインを理解しつつ、これを遵守することが求められている。