「パルワールド」運営元提携で話題のKLab、11.2億円の赤字計上 IPコラボでの新規タイトルやカジュアルゲームで損失回復目指す
スマートフォン向けゲームの開発と運営を手掛けるKLabは8日、自社の2023年12月期における通気決算を公表し、前年期比での減収減益となったことが同日公開の決算資料にて分かった。
同社が運営する主力となる既存タイトル「BLEACH Brave Souls」では、ゲーム内イベント等での販売が好調で、2022年10月から始まったテレビアニメ放送が新規ユーザー及び復帰ユーザーの獲得に寄与したと説明したほか、直近12月にサービスを終了した「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」についてはコアユーザーのニーズを捉えた商材販売を行ったことで、前年を上回るペースでの成長推移が見られたものの、サービス終了発表後は急速に減退した。
その一方、既存タイトルの「キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~」については各種KPIの回復には至らず、軟調推移と判断しており、結果として売上高は前期比36.5%減107億1700万円、営業損益は11億2700万円の赤字と前年期(5億98000万円)から赤字幅が拡大したこととなった。また、最終損益については17億2800万円の赤字となっており、これについては2023年リリースのゲーム「ダンクロ」におけるソフトウェア費の減損損失を行ったことによるもの、としている。
同社はスマートフォン向けゲームの開発の一環として、グループ子会社でのカジュアルゲーム開発も行っており、新作タイトルを月に1タイトル程度というハイペースでよリリースを実施し、複数タイトルがヒットしたことで安定した広告収入を獲得したと報告。さらに、IPを活用した運営型カジュアルゲームをリリースし、課金収入の獲得にも繋げ、収益源の多様化に取り組む方針を示した。
そして、直近1月には同月に発売した「パルワールド」の開発元である株式会社ポケットペアとハイブリッドカジュアルゲームの共同開発・運営を行うことを発表したことがポジティブ材料に繋がり、東証プライムのKLab <3656> 株はストップ高気配を記録。本提携の今後の動向にも注目されたい。
なお、2024年12月期通期における業績予想については「非開示」としており、理由については〈2024年年内にリリース予定の「EA SPORTS FC TACTICAL」による業績への大きな貢献を見込むが、現時点で詳細なリリース時期を公表していないことに加え、社として過去最大級のプロジェクトであり、合理的かつ信頼性のある業績予想の提示が困難と考ることから〉と説明していた。