Appleと係争中のEpic Games、配信停止の“iOS版フォートナイト”をEUで復活させる見通し


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人気ゲーム「Fortnite(以降「フォートナイト」)」は1月26日、現在配信を停止している同タイトルのiOSアプリ版について、EU限定でサービスを“復活させる”見通しを立てていることを公式Xを通じて公表した。

フォートナイトはアメリカ・Epic Games社が運営するオンラインゲームとして、全世界で4億人以上の登録プレイヤーを有するヒットタイトル。2017年にローンチされて以降、スマートフォンやPCに加えPlayStation等のコンソール機への移植も行われ、TPSバトルロワイヤルやクラフト、リズムゲームといった多様なゲームモードを搭載しており好評を博している。

そんな国内外で高い人気を誇るフォートナイトだが、2020年にEpic Games社がiOSアプリ版にて「アプリ内課金を経由せず直接決済する」仕組みを導入したことを受け、Apple社はApp Storeのガイドラインに違反しているとした上で同タイトルのアプリをストア上から削除。これを機に、数年間にわたりAppleとEpic Games間での民事係争が続くことに。直近1月には米最高裁判所が両者の審理を拒否し、現行のAppleによる外部決済を認めない方針を概ね呑んだ結果に帰結している。

時を同じくして1月26日、AppleはEUが3月より施行を予定している「デジタル市場法 (DMA)」への準拠を目的とした、iOS、Safari、App Store の変更内容を発表。「代替アプリマーケットプレイス(alternative app marketplaces)」と呼ばれる新たなアプリ提供の枠組みの導入を3月までに行うことを発表し、EUが盛り込んでいた「サイドローディング義務化」の規定に沿う対応を取ることとなった。

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これを受けて、Epic Gamesは同日にフォートナイト公式Xを更新。ポストにて「Later this year Fortnite will return in Europe on iOS through the @EpicGames Store.」との声明を公表し、本年後半にEpic Gamesストアを通じてiOSアプリ版のヨーロッパにおける提供再開を行うことを明かした。

詳報は今後公表するとしているものの、今回Appleが新たに発表した代替アプリマーケットプレイスの仕組みを活用してEpic Gamesが「iOS向けEpic Games Store」を創設することが想定されている。なお、同ポストには「return in Europe」と記載されているものの、イギリス等のEU圏外では対象外になるほか、万一Epic Gamesによるアプリストアの設立が可能だったとしても「係争中を理由に設立審査で拒否されるのではないか?」との意見も見られている。

オタク総研編集部

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