まるで『おそ松さん』?『アカギ』『むこうぶち』などパロディ満載の新アニメ『ぽんのみち』を紹介

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少女漫画誌「なかよし」(講談社)が12月28日に発売した2月号にて「麻雀セット」を付録に用意し大きな話題を集めたのは記憶に新しい。この前衛的な付録を採用した背景として、同誌で連載されている『ぽんのみち』が1月からアニメ化したことが挙げられる。

放送前から話題騒然となった『ぽんのみち』が満を持して放送がスタートしたのだが、アニメの内容もかなりアグレッシブなものだった。本稿では1月5日(金)にMBS・TBS“アニメイズム”枠にて放送された第1話(東1局)「麻雀をやるしかなしこちゃん」を取り上げたい。

※以下、第1話に関するネタバレを含みます

同名漫画を原作にしているが、ストーリー自体はオリジナルとなっている。1話では、自分の部屋でライブ映像を観ながら騒いでいた女子高生・十返舎なしこが、母親に怒られ家を追い出されてしまう。家の中で自由気ままに過ごせる場所を失ったなしこは父親に泣きつき、父親からかつて雀荘だった場所をたまり場として使って良いと言われる。

雀荘は荷物だらけで掃除も行き届いておらず、なんとか過ごせる空間にするために荷物を片付けたり掃除をしたりしていると、“麻雀の妖精”を名乗る喋ることができる謎の鳥・チョンボと出会う。その後、雀荘になしこの友達・河東ぱいと徳富泉も合流して、チョンボを加えた4人でマージャンをすることに。ぱいと泉は麻雀の知識があるが、なしこは知らないため、3人から教えてもらいながら初めての対局に臨む。

第1話先行カットより

対局前や対局中では、役の作り方、イーソウはなぜ鳥なのか、手牌を整えようした時に手元が滑って山を崩してしまうなど、麻雀の基本ルールから初心者あるあるが見られる。漫画の1話では、アニメ1話のラストに登場した林リーチェを加えて、なしこ、ぱい、泉の4人で麻雀を打つ。オリジナルストーリーのため若干展開は異なるが、どちらも麻雀のルールに触れつつ進んでいくことは共通しており、どちらでも麻雀を知らない人でも楽しめるよう配慮されていた。

ぽんのみち (なかよしコミックス)

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パロネタが多牌

とはいえ、アニメでは対局が始まった途端、漫画では大きく異なる光景が連続する。泉は牌をツモった際、「御無礼、ツモりました」という。これは『むこうぶち』(竹書房)の主人公・傀の決め台詞をパロったもの。ちなみに泉はあがっておらず「言いたかっただけ」と話す。また、なしこは『アカギ 〜闇に降り立った天才』(竹書房)内の名言「倍プッシュだ」と急に 口にして、「ざわ…ざわ…」という背景の文字が浮かび上がり、なしこ含めて3人とも顔が福本伸行タッチになる。

さらには、ぱいは「轟盲牌」と言ってツモった際に牌の絵柄を親指で撫でる。轟盲牌は『ムダヅモ無き改革』(竹書房)内で出てくるイカサマの一種で、ツモッた牌を親指の擦る力で絵柄を削り取り、力技で「白」を作り上げるというもの。他にも『哲也~雀聖と呼ばれた男~』(講談社)や『麻雀飛翔伝 哭きの竜』(竹書房)など、ありとあらゆる麻雀漫画のパロディネタが飛び出す。徹夜麻雀をしている大学生のようなハチャメチャなテンションに、チョンボも「自分ら、やりたい放題やな」と呆れ、さらには「怒られるで」と“何か”に怯えていた。

『おそ松さん』を彷彿とさせる1話

アニメの1話からこれだけパロディネタを詰め込んだ作品で言うと『おそ松さん』を思い出す。『おそ松さん』の1話は『花より男子』や『進撃の巨人』など様々な人気アニメのパロディネタが次々と飛び出す怒涛の展開。当然大きな話題を集めることになったものの、動画配信サービスでは1話を見ることはできず、Blu-rayやDVDにも収録されていない、いわゆる“お蔵入り”となった。あまりに“パクリ過ぎた”ために視聴できなくなった可能性が指摘されている一方、制作サイドが話題性を集めることを目的とした一種の“マーケティング”とも囁かれている。

とはいえ、『おそ松さん』は社会現象を巻き起こすほどの人気アニメになり、1話でパロディネタを畳みかけた『ぽんのみち』も同様に“覇権アニメ街道”を歩むかもしれない。ただ、『おそ松さん』は2話からはパロディネタは基本的になく、キャラの可愛さやエッジの効いたブラックジョークがウケて人気を獲得していった。『ぽんのみち』も今後独自の面白さを見せられるかが注目を集めるポイントである。裏を返せば、2話以降もパロディネタばかりになると視聴者の心は掴めない。いろいろな意味で2話の放送が楽しみである。

■TEXT:望月悠木

今後の展開に期待されるTVアニメ『ぽんのみち』第2話(東2局)「4人揃った」は本日1月12日より放送開始。

第2話先行カット&あらすじ

【関連】アニメ『ぽんのみち』初回放送スタート 東1局先行カット

第2話(東2局)「4人揃った」
元雀荘に現れた麻雀の精霊・チョンボや、謎のお嬢様・林リーチェと出逢ったなしこ。休日、彼女が元雀荘に向かうと、リーチェが店の前で待っていた。
幼い頃に楽しい時間を過ごした思い出の場所で、一緒に麻雀を打たせてほしいと頼み込むリーチェ。一方、麻雀をやるより、元雀荘を友達との自由な秘密基地にしたいと思っていたなしこは、何かと理由をつけてリーチェのお願いを断ろうとするが……。

『ぽんのみち』作品情報

『ぽんのみち』は尾道で楽しく暮らす女子高生たちの日常を描くオリジナルアニメ作品。監督・構成・脚本を務めるのは、TVアニメ「炎炎ノ消防隊 弐ノ章」、TVアニメ「波よ聞いてくれ」など、緻密なフィルム作りに定評のある南川達馬。キャラクター原案は、「五等分の花嫁」がシリーズ累計発行部数2,000万部突破となった春場ねぎ。春場がオリジナルアニメでキャラクター原案を手がけるのは、今回が初となる。制作は「ポケットモンスター」シリーズや「妖怪ウォッチ」のOLMが担当する。

「でてけぇー」!
広島県尾道市に住む女子高生・十返舎なしこは家を追い出され困っていた。
「友達と遊べる場所がないけん…」
父親が昔経営していた雀荘が今は空き家になっていることを知ったなしこは、みんなで集まれる場所に作り直すことを決めた。友達のぱい、泉とともに。
遊び場を手に入れたなしこたちは、遊んだり、料理をしたり、お茶をしたり、時々麻雀をしたり…。
そんな、なんでもない日常が愛おしくなる物語です。

【放送】2024年1月よりMBS/TBS/BS-TBS “アニメイズム”枠、RCCにて放送開始
【原作】IIS-P(まんが:卯花つかさ キャラクター原案:春場ねぎ)
【アニメーション制作】OLM
【キャスト】
十返舎なしこ:前田佳織里/河東ぱい:佐伯伊織/徳富 泉:若山詩音/林リーチェ:近藤 唯
江見 跳:山村 響/チョンボ:大塚明夫 ほか

©IIS-P/ぽんのみち製作委員会