YouTubeの“広告ブロック対策”日本でも本格化 海外に続き「3ストライク制」導入で”規約違反“示唆


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YouTubeにおける“広告ブロッカー”の利用をめぐり、直近での「広告を見るよう促すメッセージが表示される」との報告が日本国内の利用者の間で急増している。

広告ブロッカーとは名の通りWebサイトに表示される広告やトラッキングを非表示/ブロックするツール群で、パソコンでは主にChrome拡張機能が、モバイル版ではアプリがそれぞれ主流となっている。これらのツールを利用することで画面上から広告が表示されなくなることから、ページの操作性の向上やプライバシー保護を目的で利用されることが多い一方、広告収益での運営モデルを採るサービス提供者からは疑問視する声が見受けられる。

そして、広告ブロッカーのもう一つの大きな使途として知られているのが今回話題になっている「YouTubeでの広告スキップ」。通常、YouTubeでは動画の開始前や再生中に短尺の動画広告が表示されるが、これらを利用することで前項同様に表示されなくなり、スムーズに動画を視聴することができる。しかし、こちらも前項同様、YouTubeに動画を投稿して収益をもらうクリエイターやGoogleにとっては「タダ見」同然となり、広告収益の機会損失との見方がなされている。

そんな広告ブロッカーだが、メジャーになり始めてから今までの十数年、Googleからの表面的な規制は一切行われておらず、現にGoogle社が提供するブラウザ・Chromeのウェブストアでも多数の広告ブロッカーがインストール可能であることから、本格的な規制の波は見られなかった。

しかし、2023年4月~6月より「YouTubeで広告をブロックしていると”広告を観て下さい”との旨のメッセージが表示される」といった報告が海外で相次ぎ、広告ブロッカーの引き締めが始まった。初期段階では任意選択として使い続けることも出来たそうだが、6~7月からは3回無視すると視聴できなくなるという「3ストライク制」が導入され、引き締めが強化されたことが報じられていた。

そして8月後半からこれらの取り組みが日本国内でも始まったことがごく一部の利用者で報告され、今回、10月初頭でそれらの適用範囲が拡大されたのか、より多くの利用者の間で話題になった。こうした「3ストライク制」や一定時間操作を禁止される「タイマー制」での規制が確認されているのは、Adblock Plus等のChrome拡張機能やBrave等のスマホアプリの利用者だとしているものの、「特に何も表示されない」と報告する利用者も見受けられ、明確な判定基準は不明。

表示されるメッセージも複数用意されており、「YouTubeを許可リスト に登録するか広告ブロッカー自体を無効にしない場合、 動画の再生がブロックされることがあります。」「世界で数十億人に上るユーザーがYouTubeを使えるのは、 広告のおかげです。」とした上で、YouTube側が公式に提供している月額課金サービス「YouTube Premium」での広告スキップを誘導する文言も記載されている。

こうしたYouTubeによる広告ブロッカー利用者の引き締めについて、Googleは規約上に明記することで正式に利用を違反とみなしペナルティを課すというスタンスを今後採ることが「広告ブロッカーの利用は、 YouTubeの利用規約で認められていません」とのメッセージからも明確に受け取れる。

そのため、一般的なウェブサイトによる引き締めとは異なり、今後も使い続ける利用者に対してGoogleアカウントを停止・凍結といった厳しい制約措置もとる可能性も(最悪の場合)有り得ることが海外コミュニティで示唆されている。GoogleアカウントはYouTubeの視聴に限らず、GmailやGoogleドライブ、Androidなど数多くのサービスを統合するライフラインでもあり、今後も継続して利用する場合はこれらが利用できなくなるというリスクも考慮する必要性が増すとしており、Googleの“本気度に注目される。