『SPY×FAMILY』制作などのIGポート、経常利益は50%増 制作費高騰などで一部損失計上


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アニメーション作品の企画制作を行う株式会社IGポートは13日、2024年5月期における第1四半期(6〜8月)における連結累計期間の決算内容を発表。決算資料によると、第1四半期の売上高は5.9%減の24.9億円と微減したものの、経常利益は52.2%増の4.592億円と好調に推移したことがわかった。

同社は映像制作事業、IP管理を行う版権事業、出版事業を軸に事業展開を行っている。映像制作事業では、TVアニメ『SPY×FAMILY Season 2』『怪獣8号』、配信オンリーアニメ『ムーンライズ』『ターミネーター』、劇場アニメ『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』『ハイキュー!! FINAL』などの作品の制作が進行している。一連の制作について、一部の作品で制作期間の長期化や制作費の高騰があるとしており、これに伴い受注損失引当金を計上した。

版権事業では、『銀河英雄伝説 Die Neue These』『SPY×FAMILY』『進撃の巨人』『ハイキュー!!』『バブル BUBBLE』『攻殻機動隊』『PSYCHO-PASS サイコパス』などのシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上。

そして、IP創生の取り組みの狙いもうかがえる出版事業では月刊誌『コミックガーデン』、コミックス『魔導具師ダリヤはうつむかない~Dahliya Wilts No More~ 6巻』『リィンカーネーションの花弁 18巻』をはじめ定期月刊誌や新刊コミックス・書籍31点の刊行が行われ、TVアニメ化等のメディア展開含め電子書籍全体の販売が好調であるとしている。なお、出版事業については同社の連結子会社だった、漫画電子配信「マンガドア」を運営する株式会社リンガ・フランカを解散している。これについて通期業績への影響は軽微だとしており、理由については「同社を取り巻く漫画電子配信サービスの市場は微増が続くものの、一定の占有率を確保し 収益を見込むことが厳しいと判断」したとのこと。