『フリーレン』『SPY×FAMILY』など“覇権候補”揃いの東宝、アニメ事業は好調 海外収入が+85%、冬アニメの円盤売れ行きは?


アイキャッチ画像

映画事業や映像事業を手掛ける東宝株式会社は11日、自社の2024年2月期第2四半期(7月〜9月)の四半期決算を報告した。同日公表された各種資料によると、当第2四半期の売上は1,396億4200万円、営業利益は307億5200万円となり、その他合計4指標全てにおいて増収増益であったことが明らかになった。

中でも中核となる映画営業事業では、第1四半期から引き続き上映されている「名探偵コナン 黒鉄の魚影」「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」に加え、「君たちはどう生きるか」「キングダム 運命の炎」「怪物」等のヒットや、「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」(東和ピクチャーズ配給)等の洋画作品の大ヒットが全社の増収へ大きく貢献したとしている。

そして、同社が前年度に推進を明言している、映像事業に内包される「アニメ事業」については、国内売上が97億1000万円、海外売上が50億4200万円と、特に海外において前年比85.8%の大幅増収を記録。事業内の収益内訳を見てみると、大部分を占める「配信」が前年比75.5%の増加を見せており、直近で好評放送中の『呪術廻戦』『SPY×FAMILY』等のTOHO animation作品が好調に推移していることが分かった。

決算資料より引用

また、アニメ作品のグッズ販売へのライセンシング「キャラクターライセンス」においては『僕のヒーローアカデミア』シリーズが堅実な人気により貢献しているとしたほか、Blu-ray等の”円盤”をはじめとする「パッケージ」では2023年冬に放送された『お兄ちゃんはおしまい!』『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』の2作品がヒットしたと言及していた。

今後のアニメ事業について、同社は現在2023年秋クール放送作品として、『葬送のフリーレン』『SPY×FAMILY Seaso 2』といった知名度の高いタイトルへの製作参画を行っており、決算資料でも投資家に向けて今後成長分野であることをアピールしていた。

特に『葬送のフリーレン』はコミックスの累計発行部数が1,000万部を突破する原作人気に加え、9月29日(金)に日本テレビ「金曜ロードショー」枠にて初回放送として第1話~第4話を一挙に放送するという気合の入った施策が話題を集め、早くも”覇権”争いに食い込む人気を獲得。

一方の『SPY×FAMILY』シリーズはTVアニメ第2期が10月7日(土)よりテレビ東京系列にて放送されると、こちらも前作人気が継続する形でX(旧Twitter)のトレンドに関連ワードが多数ランクイン。さらに、12月22日には同作初の劇場アニメ『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』の公開も控えており、アニメ事業における長期的な発展材料としても多大な期待が込められていることがうかがえる。

IR / 株式・株主情報