KLab、「アニメIPと海外ゲームタイトルのコラボ支援」事業化へ 業績低迷の改善目指す【コラム】


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ゲーム開発事業を手掛けるKLab株式会社は、アニメやマンガ等のIP作品とゲームタイトルのコラボ支援事業の事業化を発表した。

同社の発表によると現在実施している、欧州地域向けに配信中のオンラインゲーム「Tales Noir」と人気ライトノベルからアニメ化された作品『ノーゲーム・ノーライフ』のコラボを皮切りに、収益機会の拡充を目指し、「海外向けゲーム開発支援モデル」を推進するとしている。

このモデルは、日本のIPホルダーより当社がゲーム化のライセンスを受け、海外デベロッパーと共同でゲームの開発および配信を行うことで収益を得るもので、同社は「海外向けの既存ゲームタイトルと親和性の高いIP作品とのコラボ施策実施を支援するビジネスモデル」と位置づけている。

今後の展開として、7月以降も人気IP作品と全世界1億DLの次世代新作ARPG「Chronicle of Infinity」のコラボが北米、南米、ヨーロッパ、東南アジア地域で展開予定とのこと。

KLab株式会社を巡っては業績が優れないという声が各所から見られており、本年2月に発表された2022年12月期の通期業績は売上高16,8.8億円(前期比29.4%の減少)、営業損失は前期から縮小し5.98億円。5月には続く2023年12月期第1四半期の業績も公表され、引き続き減収減益に着地した。

直近の決算資料によると同社が展開するソーシャルゲーム「BLEACH Brave Souls」が年間を通して好調に推移したほか、「うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live」、「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」等の長期運営タイトルが堅実に推移した一方、「キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~」が衰退が継続している点や、業績不振タイトルの移管や撤退などが減収の要因だと説明した。

KLabの開発タイトルを巡っては、リズムゲーム「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」が10周年を目前に3月31日にサービスを終了。後継となる新作タイトル「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル2 MIRACLE LIVE!」がリリースされるも、KLabは開発から撤退した。これにより、現在同社が手掛けるタイトルは3本体制となり、今後を心配する声が見受けられる。

今後について同社は既存タイトルの安定運用に加え、近年多くの企業が取り組みを推進している「ブロックチェーン技術」の活用も視野に入れているほか、言語障壁を伴わないカジュアルゲームにも注力するとしており、今回発表となった「海外向けゲーム開発支援モデル」と共に事業開拓を目指している。

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