”某お嬢様キャラ”ボイチェン販売で出品者「声の本人は伏せる」「権利上の心配は無い」も運営により強制非公開へ
クリエイターマーケットプラットフォーム「BOOTH」は16日、生成系AIを活用して作成された商品販売に関する方針を発表。発表文によると「同一傾向を持つ出品者らによる迷惑行為」への対応を講じる点と生成AIを利用した販売自体の全面規制は行わない点が公表された。
そのような中、翌々日の18日、BOOTHにて4,380円にて出品されていた「某有名お嬢様系キャラ風の声質を再現したボイチェン」についてのツイートが発端となり「これは大丈夫なのか?」という意見が多数相次いでいた。
入手できるという出品物はAI技術を活用したリアルタイムに自分の声を変換できるボイスチェンジャーソフトウェア「RVC(Retrieval-based-Voice-Conversion)」を通じて利用することができるという。
公開されていた出品者のページによると、この出品物は「著作権法第30条4項に基づき、40時間分の音声データを元に本人に限りなく近い音声を制作した」とのこと。続けて出品者は本出品物の利用について「声自体(声の特性等)には著作権は原則存在しないものと考えられていますので権利上の心配等は御座いません。」との見解を示していた。
また、この出品物は明らかに「某アニメ作品に登場するお嬢様」を想起させる内容だが、画像は同じくAIイラスト生成ツール「NovelAI」を使い作成したという。作品のキャラクター名や担当している声の本人については「商標上の権利を侵害することがないようにする為、具体的な名前は伏せさせて頂きます」「どなたかはご想像にお任せします。」としている。
これにはTwitterユーザーからは「『名前を伏せる』のが余計にタチが悪い」「どんなにAIが凄くても結局は使う人次第」と呆れ混じりの批判が相次いだ。(なおサンプルを聞いた方によるとそこまで似ていないとの話もあり声質の追求目的で販売したのかは不明)
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なお、該当の出品物については提起したツイートが2800いいねを超える(18日11時時点)拡散があったこともあり、話題になった数時間以内にBOOTHの運営事務局により「強制非公開」という措置が講じられた。
BOOTHは16日に公開した方針にて「サービスの健全性を維持できないと判断した場合には、AI生成作品の多く、またはAI生成作品のすべてを禁止せざるを得なくなる」とも言及。近年増しているAIによる創作への影響についてはプラットフォーム個々での対応によらず、法律問題を含めた社会全体で向き合っていく必要がある。