〈解説〉2023年1Qの全世界PC出荷台数は30%減…コロナ需要の低迷や景気後退が影響、中国国外での生産を推進する動きも


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調査会社のIDCは9日、PCデバイスの四半期市場概況を速報値とともに公開し、2023年第1四半期(1Q23)は、従来のPCの出荷台数が急激に減少し、世界出荷台数は5690万台で、2022年の同じ四半期と比較して29.0%の縮小となったことがわかった。この減少の要因としては、需要の低迷、過剰在庫、マクロ経済環境の悪化などが挙げられる。

全世界における出荷台数の内訳としては1位Lenovo、2位ヒューレット・パッカード、3位Dell Technologies、4位Apple、5位ASUSとなっている。

速報値によると、COVID主導の需要の時代に終止符が打たれ、1Q23の出荷台数は、1Q19の5920万台、1Q18の6060万台から顕著に減少していることが明らかになった。製造国の概況についてIDCは中国の成長と需要のスピードが緩やかになってきたことから、多くの工場が中国国外での生産オプションを模索し始め、サプライチェーンに変更の余地が生まれているとの味方を示している。

PCに搭載されているOSベースでの概況については、多くのPCメーカーが今年後半に予想されるライセンス費用の増加を加味し、Chromebookの注文を引き揚げ始めていることもうかがえる。今後の市場動向についてIDCは〈世界経済の改善が見込まれ、インストールベースがWindows 11へのアップグレードを検討し始めることから、PC出荷台数は年末にかけて増加に転じると予想される。特に、2024年までに経済が上向きになっていれば、教育機関が使い古したChromebookを新しく買い替えたり、企業がWindows 11に移行したりすることが予想されるとし、期待が寄せられている。

※Images by Bram Naus
※Source:PC Pain Persists in Q1 2023 Due to Excess Inventory and Poor Demand, According to IDC Tracker