長文マニュアルや資料はAIに読ませよう!PDFをもとに質問に答えてくれる「ChatPDF」が革命級
各種マニュアルや決算資料をを読み解くことは、仕事を円滑に進める上で非常に重要なものの、長文が故に時間とエネルギーを必要とする。そんなとき、今話題のPDFを読み込みユーザーが質問すると答えてくれるAIチャットボット「ChatPDF」を使えば”革命級の業務効率化”に役立つと話題になっている。
ChatPDFとは、PDFファイルに関連する質問に回答するAIチャットボットサービス。本サービスは、OpenAIの会話型AI「ChatGPT」が搭載されており、PDFファイルを解析して段落ごとの要約を作成し、ユーザーが質問すると、AIがPDFの内容に基づいて回答を行ってくれるというもの。しかも記事執筆時点ではそれらの機能が制限なく無料で使えるのも魅力だ。
たった10秒でPDFを理解
そんなChatPDFだが、真価を確かめるべく今回はある上場企業の決算短信を読み込ませてみた。まずは サービスのトップページにアクセスして読み込ませたい PDF をファイルから選択する。なお個人情報や秘匿情報などが含まれるファイルの送信には十分ご注意を。
送信すると およそ10秒以内にチャット画面に遷移し、自動的に送信した PDFについて「このドキュメントの概要」と「どのような質問ができるのか」を提示してくれる。今回の場合、〈こんにちは!このPDFファイルは、株式会社○○○○○の2022年3月期の決算短信です。売上高や営業利益、当期純利益などの数字が記載されています。また、定時株主総会や配当支払開始予定日、有価証券報告書提出予定日などの重要な日程も記載されています。〉と出力され、続けて〈以下は、このファイルに関する質問の例です。「2022年3月期の売上高は前期比でどのくらい増えましたか?」〉といった提案を行ってくれた。
解答の根拠の情報源も提示する有能さ
あとは通常のChatGPTと同様に質問事項を送信するだけ。はじめに《2022年3月期の売上高は前期比でどのくらい増えましたか?》と聞いてみると、〈2022年3月期の売上高は、前期比で20.0%増加し、〇〇百万円となりました。この情報は、PDFファイルの1ページ目に記載されています。〉との回答が返却。どこのページをもとに回答したのかを含めて提示してくれるので一定の信憑性を担保しつつ素早い理解に役立つことがわかる。
さらに《同社の中期経営計画についての記述はありますか?また、ある場合はどのような記述がなされていますか?》という質問にはまず〈はい。〉と結論を述べ、〈PDFファイルの8ページ目に、同社の中期経営計画に関する記述があります。同社は、中期計画をスタートするにあたり、中期計画の重点戦略や投資計画、市場を取り巻く環境を踏まえ、様々な角度から株主還元に関する基本方針につきまして検討を行いました。その結果、「安定的な配当額としてDOE2%をベースに、総還元性向50%以上を目標に株主還元を実施する」という基本方針を継続することとしました。また、2023年3月期の連結業績予想も記載されています。詳細は8ページ目をご確認ください。〉と詳細情報を提示してくれた。
また、〈この会社はプリンの製造を行っていますか?〉と的はずれな質問をしてもちゃんと《PDFファイルには、株式会社○○○○○がプリンの製造をしている記述はありません。同社は、玩具や映像コンテンツなどの製造・販売を行っています。》とまともな回答を得られた。
今回は決算資料で試してみたが、ほかにもプログラムのマニュアルや取扱説明書、論文といった幅広い用途への活用が出来るとのことなのでまずは一度体験することをおすすめする。なお、前述した通りセキュリティ上の取り扱いには十分注意した上で利用することが望ましい。