2022年のコミック市場は横ばい:紙は巣ごもり需要終息で減少、電子は好調も成長鈍化
(公社)全国出版協会・出版科学研究所は24日、『出版月報』2月号にて2022年(1~12月期累計)のコミック市場(推定販売金額)を発表した。
紙と電子を合わせたコミック市場は前年比0.2%増の6,770億円で、紙の単行本とコミック誌を合わせた販売金額が同13.4%減の2,291億円、電子コミックが同8.9%増の4,479億円となった。出版市場全体におけるコミック(紙+電子)のシェアは同1.1ポイント増の41.5%に達した。
紙のコミック市場は前年比13.4%減で、内訳はコミックス単行本が同16.0%減の1,754億円、コミック誌は同3.8%減の537億円となった。紙媒体コミックの大幅減は、20年より続いていたコロナ禍の巣ごもり需要が終息したことと、メガヒット作品も前年に及ばなかったことが原因だとしている。一方で、マンガアプリ発の大ヒット作品もあり「19年比」ではプラスとなっている。コミック誌は依然として単発で売れる傾向が強く、連載媒体としての役割はマンガアプリなどにシフトしつつある。
一方、電子コミック市場の推定販売金額は前年比8.9%増の4,479億円と増加しているものの、こちらも巣ごもり需要終息の影響で伸び率は低下した。積極的な広告出稿など作品を上手くPRできているストアが好調な一方で、規模が大きいストアでも伸び悩むなど二極化の傾向が見られる。全体として、コミック市場の成長は鈍化しているが、電子コミック市場は引き続き拡大していることが見て取れる。
【情報元】(公社)全国出版協会・出版科学研究所ニュースリリース
※本記事内紹介のレポートの詳細は、『出版月報』2023 年 2 月号(2,200 円)に掲載