映画「ドラえもん」ベトナムで過去最多の興行収入を記録していた テレ朝、放送事業好調でアニメビジネスも推進


映画「ドラえもん」ベトナムで過去最多の興行収入を記録していた テレ朝、放送事業好調でアニメビジネスも推進

テレビ朝日ホールディングスが公表した26年3月期第1四半期(2025年4~6月)決算によると、同社売上高が前年同期比3.7%増の804億7,800万円、営業利益が同53.2%増の72億9,600万円、四半期純利益が同28.1%増の66億8,900万円と、いずれも増収増益を達成した。

好調の背景には、テレビ放送事業とインターネット事業の両輪が寄与した点が挙げられる。テレビ放送事業では、タイム収入がレギュラー番組に加えて「世界フィギュアスケート国別対抗戦2025」「ニチレイレディス」などのスポーツ番組のセールスが好調で増収、さらにスポット収入も視聴率の優位を背景に過去最高のシェア28.9%を記録を示した。

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このような業績動向のなかで、同社はアニメ作品を中心としたIP(知的財産)の開発育成の推進、メディアミックス展開による収益強化に注力していると説明。

具体的な取り組みとして、3月に日本国内で公開された映画「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」の海外展開を例に上げた。そのうちベトナム(5月公開)では興行収入567万米ドル(約8.2億円)を突破し、過去最高興行収入達成見込みであることを明らかにした。

また、他ジャンルや異業種との取り組みも行っており、地上波番組「バズマンTV」を活用し、BookLiveと共同でアニメ化を見据えた連載漫画を開発。新作電子書籍「敵国の公爵様に愛されすぎて暗殺できません!」の配信開始や壽屋の人気プラモデルシリーズのアニメ化進行などをすすめている。

来る10月クールからはIMAnimation W(毎週水曜夜11時45分~)では「ワンダンス」、IMAnimation(毎週土曜夜11時30分~)では「味方が弱すぎて補助魔法に徹していた宮廷魔法師、追放されて最強を目指す」、NUMAnimation(毎週土曜25時30分〜)は「友達の妹が俺にだけウザい」をそれぞれ放送予定。

また、直近のホットトピックとしては「週刊少年ジャンプ」(集英社)連載中の本格落語ものがたり「あかね噺」を同局が2026年にTVアニメ放送することを明らかにしている。

著者 経済/社会担当
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