ホロライブ、カードゲームのヒットが凄い 「新作で一番売れたTCG」人気タレントの“依存”解決の一助なるか

国内大手VTuber事務所「ホロライブプロダクション」を運営するカバーのトレーディングカードゲーム(TCG)関連商品が発売から一年で大きな成長を遂げている。
「hololive OFFICIAL CARD GAME」は2024年9月にブシロードとの協力でリリースされた「きょうそう(共創/競争)」をコンセプトに展開するシリーズ。ホロライブ所属タレントの個性や魅力を活かしたゲーム性がリリース当初より注目されており「ホロカ」の略称で浸透している。
先日12日に発表された4~6月期(2026年3月期第1四半期)決算によると、会社全体の売上高は前年同期比50.1%増の99億2,900万円を記録。昨年比で増収となった要因について、マーチャンダイジング(グッズ)事業で新たに発売したトレーディングカードゲーム(TCG/OCG)が大きく貢献したことを言及した。

同社の説明によると、発売から約半年の期間である2024年度(2025年3月期)において既に約30億円の売上を達成していることを明らかにしている。当時も「当社の想定を大幅に上回る進捗」を見せており、新たな成長要因となった。
また同社は「既に発表されている第三者調査において、2024年度に新規販売されたカードタイトルの中で一番売り上げたカードゲームとして表彰を受けており、カードゲーム市場の中においても一定のシェアを獲得しております」と投資家向け質疑応答にて言及。新規参入でありながら、大きな存在感を示した。
その勢いは2025年度に入っても健在だといい、第1四半期の業績を牽引したマーチャンダイジング分野の売上高は前年同期比99.2%増の58億3,800万円と倍増しており、増加分の中核をTCGが担っている。
同社はまた、商品の好調な販売に加え、前期全体の成果として「トレーディングカードゲーム(TCG)事業を通じて、オフラインでファン同士が交流する機会が広がったこと」を挙げている。
ホロカが与えた好影響は?人気タレントの”依存”解決の一助になるか
「会場を借りて行う大会参加希望者数は回を追うごとに増えており、同規模帯のカードゲームよりも大規模での運営ができております」とも話し、オンライン上の活動が中心のVTuberコンテンツにおいて、ファン同士が顔を合わせて交流できる場を確保したという。
また、TCGの成長が続いた際の今後の影響についても明るい見通しを立てた。これまで、一部の人気タレントのイベント収益への依存度が課題として挙げられることもあったが、TCGは複数のタレントが横断的に関わるコンテンツとなっている。
そのため、「今後はトレーディングカードゲーム(TCG)やビデオゲームなど、複数タレントが横断的に関わるコンテンツの収益構成比が高まっていくことが見込まれており、それに伴い、個別タレントへの収益依存は次第に分散されていく可能性がございます」との見解を共有した。(前同の質疑応答)
アクティブプレイヤー数などの詳細なKPIについては、「小売販売が多数を占めており、主要KPIとは考えていない」としながらも、会社側は今後の展開に強い自信をのぞかせる。「今後数年でさらなる拡大ができる位置にいると考えております」とのコメント通り、英語版の展開とあわせて、精力的に取り組む姿勢を見せた。