「ガメラ」は生誕60周年!記念企画で昭和ガメラ3作品を4K再上映「まだ誰も見たことがない昭和ガメラ」


「ガメラ」は生誕60周年!記念企画で昭和ガメラ3作品を4K再上映「まだ誰も見たことがない昭和ガメラ」

1965年11月27日に公開された怪獣映画『大怪獣ガメラ』から60年を迎える今年、「ガメラ生誕60周年プロジェクト」が本格始動する。「ガメラの新たな魅力の発見!」をスローガンに掲げ、今年から来年にかけて多くの企画・イベントが進行している。

ガメラは1965年に当時の大映が制作した怪獣映画でら空前の大ヒットを記録した。突如北極の氷から出現し、日本各地を襲いながらも、やがて「子どもたちの味方」として他の怪獣から人々を救うという独自のヒーロー性を持つキャラクターとして知られる。巨大な亀の姿にして、空を飛び、火を吐くユニークな設定は他の怪獣とは一線を画し、日本怪獣映画界でその存在感を示している。

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直近2023年にはNetflixシリーズ『GAMERA -Rebirth-』が配信され、令和の時代にもガメラは新たな世代へと受け継がれている。

そんな本作品のアニバーサリー企画の第一弾として、12月5日より「昭和ガメラ映画祭」の開催が決定した。シリーズ第1作目『大怪獣ガメラ』、初のカラー作品『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』、人気怪獣ギャオスが初登場した『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』の3作品が4Kデジタル修復版で上映される。

4Kデジタル修復の監修は、平成ガメラ3部作の特撮監督を務めた樋口真嗣監督と、多くの名作の4Kデジタル修復監修を手掛ける小椋俊一氏が担当。両氏は80年代後半に株式会社IMAGICAで勤務し、平成ガメラシリーズでも樋口監督は特撮監督、小椋氏はタイミングとして参加するなど、キャリアの要所でご縁がある間柄だという。

関係者コメント

■樋口真嗣監督 コメント
私が生まれた年に作られた映画ですから、かれこれ60年前の映画です。
本来なら制作に携わった方が監修すべきなのですが、見渡した限りどなたもいらっしゃいませんでした。残念なことです。
そしてこの度、私たちの世代にとってはレジェンド級のタイミングマンである、小椋俊一さんとデジタルグレーディングの第一線を切り拓いているイマジカのカラリスト、阿部悦明さんのお力添えで不肖樋口、いちファンの代表として、この大任を慎んでお引き受けさせていただきました。
暗部に埋もれ、グレインに隠されていた怪獣たちの皮膚感を洗い出し、当時の低感度ネガフィルムに記録されていた現場の空気感を発掘するのは、試行錯誤を重ねて素晴らしい作品を作り出した先輩たちの偉業を追体験するようで、素晴らしく幸せな作業でした。
とりわけ、タイミングデータから明らかになる、オプチカルプリンターを介さずにオリジナルネガを巻き戻して二重露光をしたダブルロール合成カットの多さは衝撃です。ブルーバック合成という選択肢を当たり前のように選ぶことが難しい時代に怪獣映画を撮っていた先輩たちの労苦には感服するばかりです。
誰も観たことのないガメラの誕生を、刮目してご覧下さい。

■小椋俊一氏 コメント
この企画のお話を頂いたとき、まさか自分の子供のころ劇場で観た「昭和ガメラ」の4K修復に関われるとは思ってもみなかったので、嬉しく思いました。「平成ガメラ三部作」には、タイミングとして関わりました。劇場で皆さんがご覧になったのは、プリントフィルム(ポジ)です。今回の4K修復はネガからの修復です。ポジを通さない分、当然劇場での見え方と変わります。ネガはポジでは表現できなかった明部、暗部のディテール等、豊富な情報を持っています。その情報を損なわないように、なおかつ当時観たような質感を求めて修復しました。ご期待ください。

©KADOKAWA

著者 アニメ情報担当