『ガンダム』最新作で再確認する“全国テレビ放送”の意義 作風も相まり圧倒的な拡散を生む

『ガンダム』シリーズ最新作として4月から放送中の「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」がいよいよ本日6月24日(火)深夜に最終話を迎える。4月クールの作品は多くの注目作が放送されてきたが、本作はひときわSNSでの盛り上がりが顕著な作品となっている。
ジークアクスは「エヴァンゲリオン」シリーズを手掛けるスタジオカラーとガンダムシリーズのサンライズが共同制作し、鶴巻和哉氏が監督を務める『ガンダム』アニメシリーズ最新作。1月放映の劇場先行上映から注目を集めたなかで始まったテレビシリーズは、毎週のように話題を呼んでいる。
本作は毎週火曜日24時29分から日本テレビ系列全国ネットにて放送されており、週末放送の作品に比べてやや見づらい時間帯となっている。しかし、過去11回のオンエア全てにおいて放送終了後、X(旧ツイッター)ではトレンドを独占。前々回にあたる第10話はトレンド上位の3/4を関連語が占め、前回は特別演出も相まって放送後5時間で40万ポストを超えた。
盛り上がりは数値からも示唆されている。ブシロードのアニメデータインサイトラボが本年5月に公表した、GoogleトレンドやSNS等を用いた春アニメの「初回放送週」の調査によると、「ジークアクス」は2位作品に2倍以上の差をつけて首位を記録した。

また、新作アニメのみに絞った分析では『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が2位のノベル原作作品と4倍近い差をつけて突出するなど、圧倒する結果を出している。
この現象の背景には、日本国内でのファンの多さに加え、スタジオカラー共同制作という話題性の高さも影響している。そして放送が始まると、「Zガンダム」をはじめとする過去シリーズのオマージュや、人気キャラクターの登場といった、40周年を迎えたシリーズの厚みを最大限活かした構成が話題に。これらの要素がファンによるSNSでの考察や拡散を促した。

この盛り上がり受けて、放送終了を目前にファンの間では配信プラットフォーム全盛期のなかでの「全国ネット放送の意義」を再確認できるとの意見が寄せられた。
日本のアニメ作品は元来、放送のたびに感想をリアルタイム、放送後に書き込む「実況」が盛んに行われている。今作は先述したような作品の特性が実況に特にマッチしており、これに「全国の視聴者が同時に見られる」というテレビ放送の利点が加わったことで、より拡散を生みやすい環境をが生まれた。
本作の放送をめぐっては、開始当初、日本テレビの放送枠が「深夜バラエティ番組と合体」するイレギュラーな対応が注目を集め、録画に失敗しやすいなどの欠点が指摘されていた。今回の24時29分枠は本来深夜ドラマが放送されている時間帯であり、7月から別の新作ドラマが放送されることを鑑みると、全国ネット放送を設定するために設けた特例対応だったものとみられる。
本日第12話を迎えるジークアクス、どんな結末を迎えるか必見だ。