「FFT」リマスター決定に歓喜…今度こそ“満点リメイク”を!オタクが気になる「源氏シリーズ」の行方は


「FFT」リマスター決定に歓喜…今度こそ“満点リメイク”を!オタクが気になる「源氏シリーズ」の行方は

当時のスクウェアが1997年6月20日に1本の名作SRPGをリリースした。それが『ファイナルファンタジータクティクス』である。95年にクエストが発売した『タクティクスオウガ』をFF版に発展継承させたような作風で、実際に本作は『オウガ』のスタッフがスクウェアに移籍し、製作に関与している。

ストーリー、音楽、キャラクター、そして何より戦略性が秀でた作品で、97年のリリース当時中学生だった筆者は『FFT』の虜となった。今も手元にソフトが残っており、今年になってもまだ最初からプレイし直していた。これまでに何度クリアしたか知れない、お気に入りゲームである。

弊誌でも既に取り上げている通り、そのFFTのリマスター版『ファイナルファンタジータクティクス – イヴァリース クロニクルズ』が今年9月30日にリリースされることが決定した。

未だ現役で遊んでいる筆者だが、我が家の初期型PS3の寿命がいよいよ心配になっていたところだったので、Switch、Switch2、Steam、PS4やPS5など複数プラットフォームでの展開は大変ありがたい。リマスターということで色々と追加要素もあるようだが、今回は『FFT』のリマスター版に対しての、熱心なオタクとしての思いを振り返りたい。

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「エンハンスド」バージョン
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「クラシック」バージョン[

『獅子戦争』で不満点も過去の話。スペック的に今度は満点リメイクか

実は本作のリメイクはこれが初めてではない。PSPをプラットフォームとした『ファイナルファンタジータクティクス 獅子戦争』が2007年に発売されている。ポータブル機で『FFT』が遊べるというのはなかなか当時としては斬新で、移動中にはずいぶんと暇つぶしさせてもらった。

ユニット保有枠が拡張されて、ネームドユニットの除名の機会がグッと減ったのも、新規イベントがかなり多く盛り込まれていたのも好印象だった。

しかし、据え置き機とは勝手が異なったのか、サウンド部分がオリジナルに比べて粗末で迫力がなく、これについては終始気になって仕方がなかった。さらに、友人らと遊べる通信プレイも存在していたが、ここでしか入手できないレアアイテムも存在。

通信プレイといっても用意されたステージをクリアするという仕組みだったため、やり込んで勝手を知っている者同士で挑戦しないとプレイ中に険悪なムードに。そのせいで当時の彼女に包丁を向けられることもあった。

円滑にプレイするには読み込み時間も多いのがこの通信協力プレイだったので、音質の件と併せても、ちょっと完璧なリメイクとは言えなかった。

だが、時代は下って今は2025年。既に公式サイトでもオリジナル版と比較して、ドットやステージ映像が本来のテイストを損なわない範囲で綺麗に調整されていることをアピールするページも公開されている。音質に関しても、今度はきっと大丈夫だろう。

何よりも気になる…源氏シリーズはそろそろ入手可になっているのか?

スペック面に関してはPSPと現行機とでは大きな開きがある。かつての『獅子戦争』ですら新規イベントやユニット、ジョブにアイテムもかなりボリュームはあったが、今度のリマスター版はきっとこれらを上回るものになっているはず。

そして、今度のリマスターはキャラクターがフルボイスになるということだが、これに関しては「え、無駄に長く遊んできただけに、そのキャラの声のイメージってのが脳みその中に大体形作られてるんだけど」とオタクならではの思いが不安も生む。

ただ、そういう人のためにオリジナル版を徹底再現したゲームモードもちゃんと用意されているので、古参はそっちで遊べば全然気にならないだろう。

一方で『FFT』は敵の装備品の一部が入手できないなどの不満点もあった。代表されるのが源氏装備だ。終盤に対峙するエルムドア侯爵が一式装備しているのだが、装備品の破壊や盗難を100%防止する「メンテナンス」がセットされているため、盗むことができない。(一部攻略本では「実は何度も挑戦すれば盗むことができる」とも書いてあったが、アレはガセのようだ)

『獅子戦争』では追加シナリオを進めると源氏の鎧だけは手に入ったが「鎧だけあっても…」も、下手にセット品を1つだけ寄越された悔しさがどうにも記憶にある。今度のリマスター版では、このジレンマをどうにかそろそろ解決してもらえれば……そう強く願っている。マジで頼みますよ……!

特典も充実。コアなファンにも訴求力が高いアイテムが!

今度のリマスター版は、パッケージ版とダウンロード版が用意されている。このうちパッケージ版はデラックスエディション(税込6,800円)のみの販売で、ダウンロード版はこれに加えて特典のない通常版(税込5,800円)の2つが存在。

デラックスエディションには色々と特典も付与されているが、なかにはゲーム中で実際に装備できる新規アイテムの存在も確認することができる。装備すればシェルが発動する装備や取得JPをアップさせるアクセサリなど、全く未知のものがチラホラ。これはアイテム集めのモチベーションになりそうだ。

これが予約特典限定アイテムなのか、本編でも後で普通に入手できるのかは判然としないが、どっちみち特典としては魅力的であり、価格も1,000円しか変わらないので、買うならデラックスだろう。

もう一つ、限定版として特別装丁コレクターズBOXも販売される。ゾディアックストーンの模型やチョコボのぬいぐるみ、ラムザのフィギュアなどが同梱されたセットになっているため、熱心なファンはこっちを買い求めてもいいのかもしれない。(ラムザのフィギュアは昔発売されてた食玩版が手元にあるので個人的にはスルーできちゃうが、同梱のフィギュアがアルケオデーモンとかだったら、僕もうっかり買ってしまうところだった。助かった……)

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著者 松本ミゾレ