ニコニコの大規模サイバー攻撃から1年――当時緊急で作られた「仮設サイト」機能が期間限定で復刻

ニコニコ動画は6月14日(土)より、一時的に提供されていた仮設サイト「ニコニコ動画(Re:仮)」の一部機能を期間限定で復刻公開する。これは、2024年6月8日に発生した大規模なサイバー攻撃から1年を迎えるにあたって設けられた取り組みとなる。
国内最大手の投稿サイトとして知られるニコニコはちょうど1年前の2024年6月8日早朝、サービスに接続不具合が発生したことを確認した。運営するドワンゴの調査の結果、ランサムウェアを含むサイバー攻撃を受けていることが判明し、同日より全サービスの停止とメンテナンスが開始された。
攻撃はドワンゴの親会社であるKADOKAWAグループにも波及し、同社の多くのサイトや出版事業の発注システムにも影響。サイバー攻撃により売上高83億円、営業利益47億円の減少をもたらした。
発生当時、ドワンゴは攻撃の影響を最小限に抑えるため、サーバーの遠隔シャットダウンを試みたものの、攻撃者が遠隔で再起動を試みるなどの“攻防”が続いていたことも判明していた。最終的にはデータセンターの電源や通信を物理的に切断する措置が取られ、結果として「動画が見られる」状態に復帰したのは8月5日と、数ヶ月を要した。

こうした混乱のなか、ドワンゴは初期の障害発生確認からわずか数日のうちに仮設サイト「ニコニコ動画(Re:仮)」を公開した。この仮設サイトは、過去に投稿された動画の中から各年代ごとの人気動画をランダムで掲載するというもので、制作期間はたった3日であったことを含め話題になっていた。同様の取り組みとして「ニコニコ生放送(Re:仮)」や「ニコニ・コモンズ(Re:仮)」なども順次公開され、サービス停止中のユーザーのニーズに応える形となった。
今回の復刻公開は、あれから1年を迎えるにあたり、ユーザーへの感謝の意を込めたものとされている。復刻版「ニコニコ動画(Re:仮)」では、当時同様に「ニコニコ動画(Re:仮)10連ガチャ」や同時提供されていた「みんなでつりっくま」のプレイ画面が復活し、ユーザーが懐かしのコンテンツを楽しむことができるという。提供期間は6月28日まで。