メルカリ、不正対策で誓った“2つの約束”とは 取引トラブルの不安払拭なるか

メルカリは21日、安心・安全にサービスを利用できる環境づくりの一環として、今後の方針と取り組みに関する記者発表会を実施。同社は「お客さまとの2つのお約束」と題し、「不正利用者の徹底的な排除」と「徹底的な救済」を掲げた。
メルカリをめぐっては「注文したものと別の商品が届いた」とのトラブル事案が発生した際、運営側による積極的な補償が行われなかったとするソーシャルメディアの投稿が話題になっており、しばしばマスコミや地上波報道に取り上げられていた。
メルカリはCtoC(消費者同士)の売買プラットフォームとして、トラブル発生時にはまずユーザー間での解決を促す方針をとっていたが、10%の取引手数料を徴収する事業者としての責任を問う意見も寄せられていた。
メルカリは今回の発表において、国内で詐欺犯罪の認知件数が急増している現状と絡め、「月間2,300万人が利用するアプリの提供事業者としてこれまで以上に社会的責任が問われている」と言及。「お客さまに安心安全に利用いただける環境を提供するために一層対策を強化することといたしました」とアクションに向けての意図を伝えた。
まず、約束の一つ目にある「徹底的な排除」に関しては、具体的な取り組みとして「AI技術を活用した不正監視の強化」「メルカリ鑑定センターの設立」の2点を挙げた。
不正行為手口の多様化・巧妙化に対応するため、AIを活用して「疑わしい行為を学習させ不正のリスクをスコア化」したうえで、早期の特定を目指す。また、特定した不正利用者に対しては、アカウントの利用制限にとどまらず「刑事事件化、民事訴訟、その他手段による責任追及(損害賠償請求・不当利得返還請求等)などの対応を強化します」と明言した。
また、メルカリ鑑定センターは「メルカリ内での偽ブランド品を撲滅するため」の取り組みと説明し、今後は鑑定可能な対象商品を拡大するとともに、対象商品の鑑定義務化(稼働開始後順次)の検討を明らかにした。
一方の「徹底的な救済」とは、前者の「徹底的な排除」が完璧ではないことを想定したうえでの、受け皿となる約束。こちらも具体的な取り組みに「全額補償サポートプログラムの開始」を挙げた。同プログラムは2025年7月から提供を開始する予定で、正規利用者がトラブルに遭った場合、購入代金や販売利益の全額補償を明確にし、迅速な対応によって不安解消に努める方針だ。