中国で話題の新作日本アニメは?首位に“現地企業製作”の人気作がランクイン

モバイルゲーム分野で市場調査などを行うスパイスマートは5月2日、中国の主要動画配信プラットフォームで配信されている日本発アニメの人気動向(5月版)の速報データを公表した。
調査は2025年5月1日時点のデータに基づくもので、対象プラットフォームはbilibili(嗶哩嗶哩)、Tencent Video(騰訊動画)、iQIYI(愛奇芸)、Youku(優酷)の4サービス。各プラットフォームの独自ランキングに加え、視聴数やフォロワー数といった複数の指標をもとに集計が行われた。
首位は『阿波連さん』継続シリーズは安定した人気
結果、アニメ・ゲーム分野で最も知名度のあるbilibiliにおいては、上位20作品のうち12作品が2025年春の新作アニメが占めた。なかでも首位は『阿波連さんははかれない 第2シーズン』がランクインした。

同作は水あさと氏により2023年まで「少年ジャンプ+」にて連載されていた漫画を原作とする、“はかれない”距離感を描いた青春コメディアニメ。第1期は2022年に放送されており、これに続く第2期では高校2年生に進級した主人公たちの学校生活と日常が描かれている。
本作はbilibiliが製作(≠制作。作品のプロデュースや出資を行うこと)に関わっており、第1期から本家中国サイトにて公式配信を実施。配信開始から3週間足らずで総再生数2500万回を超える注目を集めていた。アニメ版権に表示される著作権表記は製作委員会ではない「©水あさと/集英社・BILIBILI」となっており、bilibiliが深く関わっていることが想定される。

その他新作では『ウィッチウォッチ』『スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました〜そのに〜』が続いており、累計の総視聴数・フォロワー数・総合評価のいずれも高い数値を記録した。この他、オリジナル作品として注目されたのが『アポカリプスホテル』で、bilibiliランキングで10位にランクイン。評価点も9.9と極めて高かった。
一方で、継続的にシリーズ展開されている人気作品も健在だ。『シャングリラ・フロンティア』『地縛少年花子くん』『ウマ娘』『青の祓魔師』『転生したらスライムだった件』などの作品群が「安定した支持を得ている」とされ、累計視聴数やフォロワー数は依然として高い水準を維持。、2025年冬にスタートした『俺だけレベルアップな件 Season2』も累計視聴数が1億回を超える勢いを見せているという。
さらに長期シリーズの存在感も際立っており、とりわけ『名探偵コナン(中国語吹替版)』は累計視聴数16.8億回という圧倒的な数値を記録。フォロワー数や評価でも他作品を大きく引き離たほか、Tencent Video、iQIYI、Youkuにおいても日本の国民的アニメが上位に並んでおり「ランキング上位の常連として広く親しまれています」と分析している。
©水あさと/集英社・BILIBILI