値上げでどうなる「Xbox」MSのゲーム事業は増益達成…サブスク好調もハード足かせ 1-3月期

米マイクロソフトは4月30日、2025年第1四半期(1月〜3月)の決算を発表。同社のゲーム事業部門「Microsoft Gaming」は前年同期比で5%の増収を記録した。
マイクロソフトのゲーム事業といえば自社コンソール機「Xbox」が広く知られているが、Xboxシリーズ本体の販売数は前年同期比で6%減であることが同日公表の財務資料にて明らかになった。
コスパ良好とされた「Series S」も6万円台に…今後はクラウドゲームが主軸になるか
さらに、この発表が行われた翌日、日本を含む全世界でXboxシリーズの値上げが決定した。上位モデルの「Series X」は66,978円から87,980円になったほか、最廉価モデルである「Series S」も67,480円となり、4万円台だった従来から大幅に上昇した。
直近のXboxはハードウェア独占タイトルが少数であるためかねてより必要性を指摘する声もあったが、今回行われた価格改定を機に、販売数量ベースでは今後の数値に大きく影響を与えることが想定される。
ハード販売が前年より減少したにもかかわらず、それらを相殺し上回る成長を達成したのは、サブスクリプションサービスやマルチプラットフォーム展開によるソフトウェア収益の拡大がある。実際、ハード関連を差し引いた事業成長は「8〜9%」と説明している。
Xboxブランドは現在、「Xbox Game Pass」のサービス拡充に注力しており、最新タイトルを常にプレイできることを強みとしているほか、一部プラン向けに提供している「クラウドゲーム」機能を使うことでタブレット、テレビなど幅広いプラットフォームでも遊べる。
現に同サービスでは昨年発売された「Call of Duty: Black Ops 6」が大きく貢献していると名指しで公表。同作はマイクロソフト傘下のアクティビジョン・ブリザード社の人気シリーズであり、Game Passで初めて投入したことで、シリーズ史上最多のプレイヤー数を記録した。
なお、今後マイクロソフトがゲームハード分野を見限る可能性については短期的には考えにくく、現在同社は「携帯型ゲーム機」の展開を予定しており、ASUS社製造での発売になると予想されている。