OPPO初のタブレット「OPPO Pad Air」正直レビュー 動画視聴には良いが…


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OPPOが9月26日に初の日本向けタブレット端末「OPPO Pad Air」を発表した。34,000円と比較的安価なこの製品、実際にどのくらいタブレットとしてどのような用途に有用なのか、他社端末と比較しつつレビューとしてチェックしてみた。

第一印象は軽い

実際にハンズオンしてみて一番初めに感じたこととして「軽い」という点。本製品は440グラムと他社から発売されているタブレット端末と比較しても軽量。更には筐体の厚さは6.9mmとスマートな印象。参考までにiPadは重量は490g程度で厚さは7.5mm。

単に軽いだけでなくディスプレイサイズも10.3インチと大画面。背面上部にはカメラがあり、OPPOが2022年より積極的にアピールしている独自加工技術「OPPO Glow」を用い砂丘をイメージした背面に仕上がっている。光に反射させると美しい。

 

付属品は説明書と本体で充電器は付属しない。こちらは注意する必要がある。

動画視聴機として優秀

気になるポイントとしてはやはり動画視聴に最適かどうか。OPPOは「手に取れる大画面、迫力の臨場感。」というキャッチコピーでOPPO Pad Airをプロモーションしており、映像や音響表現には特に力を入れていることが考えられる。

OPPO Pad Airのディスプレイは10億色の色彩表現がが可能な2K解像度ディスプレイを搭載し、画面占有率は83%と没入感あふれる映像体験が可能とアピールしている。実際に起動してディスプレイをチェックしてみ

たがキャッチコピー通り画面は奇麗といった印象。

写真は圧縮加工を行っています

”奇麗”といった主観的評価はあまり好ましくはないが、解像度は2000×1200(2K)なので品質が荒いといったことは多くの人は感じられないだろう。リフレッシュレート60Hzという点は少し気になるが、テレビ映像は30fps・映画は24fpsとされているため影響はゲーム用途よりかは少ないと思われる。

※リフレッシュレート…ディスプレイが1秒間に描画を更新できる回数

オーディオについてDolby Atmos対応クアッドステレオスピーカーを左右対称に搭載。OPPO Pad Air筐体側面には「Dolby Atmos」ロゴマークもあり音響表現に気合いを入れていることが散見された。デュアルスピーカーを搭載するスマートフォンも多いが、クアッドスピーカーは画面の大きさも相まって迫力が違う。映画などを観るとより実感すると思われる。

中華タブレットの”罠”もクリア

Androidタブレットを購入する上であまり多くの人が気にしないものの、非常に重要なポイントとして「Widevine CDM Security Level」が挙げられれる。Widevine CDMとはGoogleが制定している「デジタル情報にアクセスできるセキュリティレベル」のことで、主にDRM(著作権保護技術)に関与する重要な要素。そんなWidevine CDMだが、セキュリティレベルがレベル1(L1)~レベル3(L3)の3段階存在しており保護レベルによってコンテンツの見られる量や画質に影響する。

技適を取得して日本国内で正規販売をおこなっている製品でも稀にこれらの”罠”に引っかかる可能性があり、特にAmazonで販売している安価な中華タブレットだとL3レベルであることも。Amazon Prime VideoのフルHD画質視聴が出来なかったり、Netflixだと視聴できない作品があったりといった問題が起こる。

今回紹介しているOPPO Pad Air、さすがにL2やL3ではないだろうという気持ちでアプリを用いて調査してみたところ、想像通りL1と最高レベルだった。

実際にAmazon Prime Videoでビデオを再生してみたところ、フルHD以上相当の画質を担保できている印象だった。

用途は限定される=iPadでいいんじゃ…

スマホやタブレットといったガジェットを買う上で欠かせないのは「他社製品との比較」だ。他社製品と比較してどうなのか、簡潔に紹介する。

スタイラスペン非対応

一方で、Appleから発売されているタブレット「iPad」(以降「無印iPad」とする)は49,800円でゲームも快適な高性能チップを搭載したうえでスタイラスペン「Apple Pencil」にも対応している。特に処理性能においてはSnapdragon 680とApple A13 Bionicでは雲泥の差。

スタイラスペン対応云々に至っては今後の使用用途も左右する。特にタブレットは”スマホ以上パソコン未満”という絶妙な立ち位置のガジェットであるため、用途が非常に重要となる。「あれ…最初はネトフリ視聴端末として買ったけどお絵描きもしたいな…」と思ったときに後悔する可能性も。

なので上記の点を踏まえると、OPPO Pad Airを買うよりあと1.4万円払って無印iPadを買うほうがメリットが大きいと思う人も多いのではないかと思われる。このような言い方は敬遠されるかもしれないがAndroid OSとタブレットとの親和性を考慮した上で正直に思った感想だった。やはりAppleは強い。

家族で共有できる機能も

OPPO Pad Airは家庭内でのタブレットとしての使い方も推奨されており、ColorOSのマルチユーザーを使うことで1つのデバイスで3つのアカウントを共有できるのもポイント。それぞれ別のホーム画面が表示される使用なので、Windowsのマルチユーザー環境を想像するとわかりやすいかもしれない。子供向けにも利用できるよう「Googleキッズスペース」も搭載している。

しかし、中高生・大学生の場合”ノートを取る”といった用途にも使いたくなるかもしれないが、スタイラスペンには非対応なのでそのような使い方は出来ないことには注意。

その他にもColor OSの機能としてフローティングウィンドウといった作業効率化を促進する機能が搭載されている。

結論・性能測定

以上、簡単にOPPO Pad Airをハンズオンしてみて正直な感想を紹介した。結果としてはあまりおすすめできないといった書き方にはなったが、「Androidが好き」な人や「軽いものを使いたい」人にはおすすめできるという絶妙な結論として締めたい。もちろん前述した通り動画視聴端末としてはGMSも利用可能なため優秀だった。

※玄人向けとして今回OPPO Pad AirでAntutuベンチマークでテストを行ってみたので参考にしていただきたい。RAM要件もあるため「Antutu Go」を使用。結果は26万点とやはりゲームをプレイするには非力な印象。
▶OPPO Pad Air製品仕様

市井

著者 市井
オタク総研媒体統括 兼 合同会社サブカル通信社執行役社長。専門領域はアニメ、テクノロジー(ガジェット)、プログラミング、コンテンツビジネス。PRプランニングやIP調達なども担当しています。新作アニメ、海外スマホ、東南アジア好き。