廉価版“SE”は事実上消滅?「iPhone 16e」発表も消費者は「高価」反応 10万円迫る理由は
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Appleは19日、iPhone 16シリーズの新モデル「iPhone 16e」を発表した。A18チップと自社開発モデム搭載し、Apple Intelligence機能への対応を特徴とする。価格は99,800円(税込)からで、予想ではSEシリーズの後継とされてきたが、これらと比較して大幅な価格上昇となった。
新モデルは、有機ELの6.1インチRetina XDRディスプレイを採用。A18チップにより、前世代のiPhone 11と比較して最大80%高速な処理性能を実現し、Appleが推進する生成AI機能群「Apple Intelligence」への対応を見込んだものとされる。また、Appleが初めて自社開発したセルラーモデム「Apple C1」を搭載したのも大きな特徴で、5G通信における電力効率を向上させている。
カメラ機能では、48MP Fusionカメラを搭載。2倍光学ズームに対応し、ナイトモードやポートレートモードなど多彩な撮影機能を備える。動画撮影は最大60fpsの4Kドルビービジョンに対応するが、カメラの数は一つ上のモデル「iPhone 16」比で1個減る単眼となる。また、iPhone 16シリーズで新たに搭載されたアクションボタンも本機に搭載した。よく使う機能へのクイックアクセスが可能になる。
予想されていた「SE後継」としては高いが「16シリーズ」と考えれば妥当か
しかし、価格面においては「SE」後継と捉えられていたこともあり、かなり高値との意見が多い。LINEヤフーが20日より行っているアンケート「あなたは「iPhone 16e」を買いたいと思いますか?」では午前10時時点で90%が「高いたいとは思わない」と回答。(投票総数:1,885票/途中経過の数値 出典)価格だけが理由ではないものの、少なくとも一定の影響は与えているとみられる。
価格上昇の背景には、そもそも「SE」シリーズの後継ではなく、「iPhone 16の最廉価モデル」である、という位置づけの違いが挙げられる。これは先述するとおりApple Intelligenceに対応するために最新のA18チップを搭載したこと、その他メモリ要件を満たしたことがある。また、為替レートの影響も大きい。米国での価格は599ドル(税抜)で、これは単純換算で約90,000円となるが、実際の日本での販売価格は99,800円(税込)となっている。
製品仕様面では、ホワイトとブラックの2色展開に限定することでコスト抑制を図っているものの、旧来の「SE」シリーズと比較すると3万円以上高く、消費者の反応についてもおおむね同内容が指摘されている。なお、下取りプログラムを利用することで、iPhone 11では最大22,000円、iPhone 12では最大30,000円の割引が適用されるほか、各キャリアでもキャンペーンが予定されるため、想定よりも支出は少なく済む場合もありそうだ。
なお、本機の発表を受けて、現行機種であった「iPhone SE(第3世代)」などのライトニング端子搭載機種のAppleでの正式取り扱いが終了しており、小型端末やホームボタンなどのニーズは中古市場にも影響するとみられる。