コーエーテクモ、“凄腕”で知られる資産運用を新設子会社に集約 襟川夫妻は役職異動、経営体制刷新へ


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コーエーテクモホールディングスは10日、本年6月から新経営体制に移行することを発表。代表取締役社長の襟川陽一氏は代表取締役会長に就任し、現代表取締役副社長の鯉沼久史氏が新設される社長執行役員CEOに就任するほか、新会社も設立する。

今回の新体制への移行は経営の監督と執行の分離を目的としており、襟川陽一氏は取締役会議長として経営の監視監督に注力する一方、ゲームクリエイターのシブサワ・コウとしてエグゼクティブプロデューサーの立場からゲーム開発を支援するとしている。

そして、新たに社長執行役員CEOに就任する鯉沼氏は、2000年発売の『決戦』から襟川陽一氏とともにゲーム開発に携わったとして、「コーエーテクモグループの精神『創造と貢献』を胸に、陣頭に立って業務の指揮を執ってまいります」と抱負を述べている。

営業外利益でサポートする投資事業を行う専門子会社を設立

また、同社は近年、営業外収支に計上される投資関連事業が好調で、一時は本業にて発生した減退を運用益で補填する格好となっている。現に先日開示した四半期決算によると、投資事業は「的確な運用」がコミットしたとして、営業外収支で過去最高を記録。結果、ゲーム事業の減収を補い、純利益は前年同期比3.6%増を達成した。

こうしたなかで今回、新たな動きとして、子会社「株式会社コーエーテクモコーポレートファイナンス」を設立、有価証券の運用などを行うファイナンス機能を集約することを発表した。代表取締役社長には“凄腕”としてその運用力が注目されていた襟川恵子氏が務め、同氏はホールディングスの新役職・取締役名誉会長も兼務する。

「本吸収分割により、運用機能に関するガバナンスを強化するとともに、最適なキャッシュマネジメントを実現します」

新役職コメント

襟川陽一氏
「世界No.1 のデジタルエンタテインメントカンパニー」を実現するためには、機動的な業務執行と高い水準のコーポレート・ガバナンスの両立が必要と判断いたしました。新しい経営体制では経営の監督と執行の分離を進めることでこの両立を実現します。私は代表取締役会長となり取締役会の議長として経営の執行に対する監視監督を行ってまいります。また、取締役の過半数を社外取締役が占めるよう構成し、経営の透明性を確保いたします。これらにより段階的に進めてきた次世代の経営体制の構築が完了いたします。自信を持って新体制でスタートいたしますことをご報告申し上げます。

鯉沼久史氏
このたび、社長執行役員CEOを拝命することになり、決意を新たにしております。私は2000年発売の『決戦』をはじめとして、襟川陽一とは長らくゲーム開発をともにしてまいりました。これまでの経験を通じて身に着けたコーエーテクモグループの精神「創造と貢献」を胸に、陣頭に立って業務の指揮を執ってまいります。コーエーテクモならではの高い品質のゲームで世界中の皆様に最高の感動を提供し、力強い成長を実現してまいります。今後ともご支援とご愛顧をよろしくお願い申し上げます。

著者 編集部 経済・社会担当
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