マイクロソフト、DeepSeekモデルを自社製品に活用へ「OpenAIと不正調査」報道直後に発表


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マイクロソフトは日本時間の30日、中国のAIスタートアップDeepSeek社が開発した大規模言語モデル「R1」を自社製品のAzure AI FoundryプラットフォームとGitHubで提供すると発表した。

Azure AI Foundryは、マイクロソフトが提供する、AIアプリケーションの開発と運用を行うプラットフォーム。AIモデルと開発ツールを1つの環境で利用できるもので、今回そのAIモデルの一つとしてDeepSeek-R1が加わる形となる。

部門担当者はR1モデルについて「モデルの動作の自動評価や、潜在的なリスクを軽減するための広範なセキュリティレビューなど、厳格なレッドチームと安全性評価を受けている」と導入にあたってコメント。「強力でコスト効率の高いモデルを提供し、より多くのユーザーが最小限のインフラストラクチャ投資で最先端のAI機能を活用できるようにする」とのべている。

このR1モデルは、米・OpenAIの最新モデル「o1」に匹敵する性能を持ちながら、オープンソースとしてモデルを無料で公開していることで話題になった。推論に必要なコストを大幅に削減てきることや、モデルの重みや出力を自由に利用可能としたこと、完全無料で利用できることなどが評価を得ている。今後は「Copilot Plus PC」向けにR1の軽量版モデルの提供も検討しているという。

なお、マイクロソフトがこの発表を行った同日、OpenAIとマイクロソフトはDeepSeekが自社のAPIを無断で学習に使用した可能性があるとして、調査を進めていると報じられた。マイクロソフトのセキュリティチームらが昨年末、OpenAIの開発者アカウントを通じて大量のデータが使用された形跡を検知したと伝えられており、ソーシャルメディアでは上記の発表とともに話題になっている。

著者 編集部 IT/デジタル担当
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